さて、一昨日のエントリーの続きのようなもんです。
NOBORDER で取り上げられていた武雄市のタブレットを利用した反転授業の件の続報が、今日出てきました。
そこに書かれていたのは、教師、保護者、そして当事者である児童の声。
だが、これまでにも書いてきたように、自慢のタブレット型端末は不良、故障ばかり。いったい、現場の先生、そして子供たちはどう感じているのか、生の声をご紹介する。
[From 武雄市が公立小中校に導入したICT利用教育の破綻した実態③〜現場で噴出する不満の声〜(今西憲之) | NO BORDER - ノーボーダー | 境界なき記者団]
あまりにも酷すぎる実態…
記事の方を読んでいただいたほうが、早いと思いますけど、とにかく酷い状況のようです。
教師からはバッサリ「使えない」と断言され、
ズバリ言いまして、タブレット型端末は邪魔です、何のメリットもない、使えないシロモノです。
[From 武雄市が公立小中校に導入したICT利用教育の破綻した実態③~現場で噴出する不満の声~(今西憲之) | NO BORDER - ノーボーダー | 境界なき記者団]
児童からは「もう飽きてきた」と言われ、
親戚が中学校にいるけど、もっと故障が多いと話していた。
タブレット型端末を使った授業、動かんけん、もう飽きてきた。ママのスマホのように動けば、楽しいけどね。それに、動画もゆっくりで、面白くない。
[From 武雄市が公立小中校に導入したICT利用教育の破綻した実態③~現場で噴出する不満の声~(今西憲之) | NO BORDER - ノーボーダー | 境界なき記者団]
保護者からは、税金の無駄遣いではないかと疑われる。
iPhoneなど古い4とか、5とか。それを再利用するとか、手法はいろいろありますよ。どうして、お金使うことばかりが優先されるのか。
[From 武雄市が公立小中校に導入したICT利用教育の破綻した実態③~現場で噴出する不満の声~(今西憲之) | NO BORDER - ノーボーダー | 境界なき記者団]
挙句の果てに、児童にタブレット端末の利用意義まで問われてしまう始末。
学校のアンケートでは、なんとなくわかりにくいって書きにくいから、わかるって答えているけど、先生が黒板で書いて、プリントを配ってくれる方がずっといい。どうして、タブレット型端末を使っているのか、わからない。
[From 武雄市が公立小中校に導入したICT利用教育の破綻した実態③~現場で噴出する不満の声~(今西憲之) | NO BORDER - ノーボーダー | 境界なき記者団]
しかし思うのは、子供ってよく見てるし、大人が思う以上に事態を明確に把握しているようですね。
使いにくいものを使うよう強制されていることが、学習意欲を減退させる方向に働いていないことを祈りたいところですが、この状況が一向に改善されることなく、中学に上がっても同じような状況。その先には高校入学時の条件としての自由に使うことが出来ないタブレット強制購入が待ち受けているかもしれないという現実があるわけですから、 デジタルネイティブどころか、 ICT 機器アレルギーを起こさせてしまいかねないのではないかと、余計な心配をしてしまうわけですが…。
検証報告会も終わっているのに
実際には現場レベルで問題多発状態ということが明らかになった今、先日発表された検証報告書の内容も、その中身の信頼性が疑われるような状況になってしまったようですね。
なにしろ、全員ではないにしろ、児童が「なんとなくわかりにくいって書きにくいから、わかるって答えているけど」ってスタンスでアンケートに答えている可能性が出てきたわけですから。
佐賀県武雄市で実施されているICT教育の第1次検証報告会が6月9日、東洋大学(東京・文京区)で開かれた。2014年度に行われた、タブレットを使ったスマイル学習(武雄式反転授業)、プログラミング教育などの効果を東洋大学現代社会総合研究所が検証し、代表の松原聡氏らが報告した。報告書(PDF)は武雄市教育委員会がウェブサイトで公開している。
[From 佐賀県武雄市「ICT教育」のタブレット活用-- 「成績向上の可能性アリ」も正相関ナシ - CNET Japan]
報告書作成に際して、教師からのヒアリングなども行っているではないかと思うのですけど、現場の混乱ぶりについては触れられていないようですし、そもそも検証報告書作成の代表者=武雄市ICT教育推進協議会の座長ですので、都合の悪いことは書くわけがないかもしれないということも考慮しなくちゃいけないですし。
最後に…
記事の最後のこの一節。
「大人の目線」ばかりが先行する、武雄市のICT教育。
その犠牲者は、児童、生徒だ。
[From 武雄市が公立小中校に導入したICT利用教育の破綻した実態③~現場で噴出する不満の声~(今西憲之) | NO BORDER - ノーボーダー | 境界なき記者団]
この一言に尽きると思うのですよ。
そして、答えて頂けるものならば、小松市長に聞いてみたい。「今の武雄市の SMILE 学習(と花まるタイム)、保護者の立場からみて、そのままご自身の子供たちに受けさせたいと思えるようなものですか?」と…。
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武雄市による教育現場でのタブレット利用の件ですが、まぁいろいろと話しが出てきて「... 続きを読む
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