図書館における「区民優先制度」が来年4月から

図書館のWebサイトを見に行ったら、こんなお知らせが。

区民へのスムーズな資料提供を実現するために、2017年4月から区民優先制度を導入します。
(区民優先制度でいう区民とは、文京区在勤・在学の方も含みます。)

[From ニュース 区民優先制度の導入について:利用者サービス:お知らせ]

これ、なんかどっかで聞いたことがあるなぁ、と思って漁ってみたら、

本委員会の中でも、全ての利用者に対してサービス向上を目指すことや、誰もが図書 館を利用できる、より良いサービスの提供への意見がある一方で、区民利用を優先する ための利用資格制限等の導入を求める意見も出ています。
これには、これまでは想定されていなかったインターネットによる蔵書公開と資料予 約が始まり、図書館利用が伸び続けていることから、その実態に合わせて様々な意見と して出されてきていると考えられます。

[From 文京区立図書館サービス向上検討委員会報告書]

この話が実際の対応として始まるということのようです。

サービス向上検討委員会、1度だけ傍聴しに行ったことがあるんですが、確か傍聴しに行ったその回で話題になっていた件だと記憶にあったので、ピンと来たんですけどね。


報告書中にある通り、インターネット予約の約四割が区民以外ということは、総予約数の約三割が区民以外となるわけですんで、割合としては結構大きいですね。

③ 利用者の状況について
利用者の状況は、平成24年度の貸出の内、区民66%、区民以外が34%となっております。予約・リクエストでは、インターネットでの受付を開始した平成16年度で、すでに総予約数の内55.7%がインターネット経由となりましたが、平成23年度には、総予約数の内予約80.8%がインターネット経由となり、(ネット予約の内57.9%が区民)、平成24年度では、総予約数の内インターネット経由が80.8%(ネット予約の内57.3%が区民)と言う状況となりました。この9年間で、予約数は3.6倍、インターネット経由が5.2倍になっています。

[From 文京区立図書館サービス向上検討委員会報告書]

もちろん、ここで言っている「区民以外」には「文京区への在勤・在学者」も含まれるのだと思うので、単純に居住地だけでみてしまうのは早計だとは思いますが…。

このあたりの議論は、文京区立図書館サービス向上検討委員会第2回会合の際に取り上げられていました。
#ということで、傍聴にしに行ったのは、第2回だったのか…。

○恩田委員 公募区民の恩田です。先ほどのご説明の中で、CDについて区民利用割合が低いというお話がありました。CDは本に比べて、例えばアルバムであれば1点3,000円前後、落語の全集などですと、1セット30枚くらい入って4~5万円します。『ぶんきょうの図書館 平成25年度版』の4ページに、「CD、DVDなどの視聴覚資料の収集・提供の充実を図っている」と謳っていながら、半数以上が区外で利用されているという点についてはどのようにお考えでしょうか。
○藤田副委員長 私のほうから。むしろ逆というか、区外の利用を図書館側が推奨したわけでは なくて、CDの収集が他区の図書館等に比べて充実しているので、他区からわざわざ、今はインターネットの予約等もできますので、そういうことで予約をされて貸出を希望される方が多い結果、こういうことになっているのかなと思っております。
○恩田委員 文京区民の負担によって文京区外の人々に資料を提供するという現状は、受益者負担の観点から考えて喜ばしいことなのでしょうか。
○藤田副委員長 インターネット予約が現在のように活用されていなかった時代には、住民登録のある区民の方と区外の方を分ける必然性は余りなかったのかもしれません。在学とか在勤とか、何かしら区に縁のある方が利用されていたという状況があるんですが、インターネット予約等が現在のように盛んになりますと、文京区に縁のない方でも資料を求めていらしている状況があるので、私どももこういう状況を踏まえて、今回この会議の中で議論していただくのにふさわしい議題であろう、そういう時期が来たなと考えております。

[From 第2回文京区立図書館サービス向上検討委員会会議録]

議論の流れは、引用したとこの前後も読んでもらうとわかりますんで細かくは書きませんが、これを現場で聞いてた時に「区民か区民以外の識別するの、システム上では容易なんだから、システマチックに出来るよなぁ」と思ってたんだよな、確か…。

区民税で整備しているんだから、区民優先で、という声が上がるのは当然のことだと思いますし、個人的には特に反対する理由もないんで、やってみたらいいんじゃないすか、という立場。
区民と区民以外では変わってくる部分は、貸出数や予約数、新着・未所蔵資料の扱いなんで、人によっては使いづらくなるのかもしれませんけど、完全に利用が出来なくなるわけじゃないようですし、在勤・在学者については、その住所が確認できれば今まで通り、ということのようですから、隣接区在住かつ在勤・在学者でない人たちが不便になるのはご理解ください、ということなんでしょうね…。

区民優先制度の本番運用は来年4月から、ということなので、実際どう変わったのかが実感できるとしても、1年以上先のことになりそうです。

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