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安物買いの銭失い?だったのでは、と思わせる武雄市のタブレット導入

「ICT先進自治体」として、良くも悪くも有名な武雄市ですが、ここ数年続けているタブレットを利用した授業に関する研究報告の最新の状況として、武雄市「ICTを活用した教育」第三次検証報告が公開され、それに基づいた新聞記事がいくつか出ていました。

武雄市のICT教育について、東洋大の研究プロジェクトが第3次検証報告をまとめた。武雄式の反転授業「スマイル学習」は実施率が低く学校間でもばらつきがあることを指摘し、学習効果の検証と教職員の負担軽減などによる実施率改善を求めた。

[From 武雄の反転授業を東洋大が検証、負担軽減を|佐賀新聞LiVE]

佐賀県武雄市と東洋大学などが共同で進めるICT(情報通信技術)を活用した教育研究プロジェクトの検証報告会が24日、同大の白山キャンパス(東京都文京区)で開かれた。タブレット端末を使った独自の武雄式反転授業「スマイル学習」を通じて学んだ児童の方が、通常授業の児童よりも理解度テストの平均点が高いとの結果が出た。

[From 【りこめんど】武雄式反転授業「スマイル学習」 - 産経ニュース]

日本一の学力を目指して武雄市が小学校にスマイル学習(武雄式反転授業)を導入して3年。「推進役であるはずの教職員が実はスマイル学習に消極的」と、ショッキングな現実を東洋大の第3次検証報告(2016年度)が突きつけた。市教委は「多くの利点がある」とスマイル学習は堅持する方針で、新年度から初の見直し作業に着手する。【渡部正隆】

[From 武雄のスマイル学習:導入から3年 推進役の先生、消極的 東洋大が第3次検証 初の見直し作業着手へ /佐賀 - 毎日新聞]

一通り目を通した感じでは、産経だけが問題ないような内容になってますが、佐賀新聞と每日新聞の書き方は「進め方に問題あり」と言った論調になっているのが、面白いといえば面白い。

タブレット端末を活用したICT教育モデル事業報告書というのが図書館に所蔵されたので

区の図書館の新着をつらつらと眺めていたら「タブレット端末を活用したICT教育モデル事業報告書 平成26・27年度 」というものが所蔵されたらしい、ので早速借りてみた。

自分の子供達が関係することだし、随分前にも、

さて、書いてあった概要だけから類推するに電子黒板導入に向けての調査と、それに合わせて実際の授業での活用方法を模索するために、モデル校選定と研究を今年やる、という感じみたいですね。(ただ、タブレット型 PC の導入が唐突に出てくるのが、ちょっと…。)

[From 電子黒板とタブレット PC の導入ですか… #文京区 - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

ということは書いていたのだけど、特に行政文書の取得とかまでして調べる、ということもしていなかったので、現状を概略的に把握するためにも、読んでおこうと思いましてね。。

で、それが今日手元に来たので、読んでみたわけですが、そこから幾つか気になることなどを、書いておきます。

まず、今回のモデル事業の概要ですが

  • 実施期間:平成 26 年、27 年の 2 年間
  • 対象:小学校、中学校それぞれ二校ずつ。さらに、それぞれで通常学級と特別支援学級担当に分かれる。
  • 研究課題
    • 大きく以下の五つ
      1. 一斉学習、個別学習といった学習形態に合わせた、タブレット PC を効果的に活用した指導事例及び成果
      2. ICT 支援員の活用や、校内研修・研究等の工夫による、タブレットを効果的に活用するための校内体制
      3. 時間割の工夫、交流及び共同学習での活用など、タブレットの効果的な活用のための留意点、配慮事項の洗い出し
      4. ネットワーク、ソフトウェアやその機能、ベンダ対応などタブレットの学校への導入に際しての技術面、設備面での課題洗い出し
      5. その他、タブレット活用に関すること
  • 機材の配置
    • 通常学級:3〜6人に 1 台になるように配置。小学校、中学校ともに Windows タブレット PC で、中学校には iPad も配置。
    • 特別支援学級:1 人 1 台で配置。小学校が iPad 、中学校は Windows タブレット PC 。

という感じだったようです。

学習者用 PC (タブレット)で物理破損が増加中? #佐賀県

サイトのアクセス統計とか見ててたら、別サイトに張られたリンク経由で、ここを見に来た形跡があったので、リンク元にアクセスしてみたところ、こんな話が載ってました。

強度に問題があるのか取り扱いが雑なのかよくわからないが、キーボードの保証期間は1年間(2015年3月まで)なので、それ以降は修理にいくらかかることになるのだろう?。

一方、不注意による破損の場合は有償修理となる。中には修理に20万円以上かかるとの見積もりになって対応に苦慮するケースもでているそうだ。

学習用パソコンの故障が増加 : mobakiのblog

「あれ?キーボードだけ、保証期間が別だったっけ?」というのは思ったのですけど、活用率は高くないけど每日持ち歩くことが強制されているわけですから、登下校時のちょっとしたトラブルで物理的な破損は発生することは容易に想像できるわけですが、実際に切実な状況も発生している模様で、Yahoo! 知恵袋にも、こんな相談が出てきているという状況…。(これは、リンク元の別エントリーに書いてあったものですが。)

佐賀県の高校生のうちの子がタブレットを落として液晶が破損してしまいました。

佐賀県の高校生のうちの子がタブレットを落として液晶が破損してしまい... - Yahoo!知恵袋

タブレット PC 、液晶割れたら、ただの板ですから、事態は深刻です。
修理費用に20万かかる、と言われたという話なのですけど、調達時に入札業者に提出させている提案書の中に、保証とか保険の項目があったよなぁ、ということで、開示された文書を読み直してみたところ…。

学習者用 PC の調達仕様をチェックしてみる #佐賀県

佐賀県のタブレットの件、え〜っと第何弾だ?というのは置いといて、手に入れた学習者用 PC の調達関連の文書の中から、学習者用 PC の仕様そのものについて記述があるものを中心にチェックしたみました。
今回、チェックの対象にしているのは、次の3つ。

教委情第 435 号と 456 号が、学習者用 PC と同仕様のものを、指導者用に各高校に配備する賃貸借契約分と、一部高校(唐津南、有田工業、鳥栖商業)向けの購入契約分を、総合評価一般競争入札で行うための手続きに関するもので、このうち 436 号は入札実施に向けての公告を行うためのもの、456 号が総合評価一般競争入札を実施するための手続きになっています。
#総合評価一般競争入札 = 総合評価落札方式ってことでいいのかな?

教委情第 456 号の決裁文書中には、前にも書いたとおり、平成 27 年度以降の調達元を決めるだけでなく、平成 26 年度分の調達元を決めるであることも明記されていました。

 今回、学習用PC 賃貸借契約により1,230台、購入契約により626台を調達する。
 この調達により契約を交わした納入業者と、平成26年度新入生が購入する学習用PC (以下、「H26学習用PC」 という。)、約6,800台について、販売に関わる協定を結ぶこととする。
 なお、H26 学習用PCの調達仕様は、基本的に今回の調達仕様と同等(「H26学習用PCに係る仕様書」に示すとおり。)とし、価格については同等以下とする。
 また、平成27年度以降も、毎年4月に新入生が新たに学習用PCを購入する予定であるが、新たに購入するに当たって、特に支障が無い場合は、数年間、今回の納入業者と販売に係る協定を結ぶこととする。

[From 教委情第456号 学習用PC調達に係る賃貸借契約及び購入契約について(伺)〔事前承認〕 ]

改めて学習者用 PC の機器仕様を確認する

学習者用 PC の調達仕様については、教委情第 435 号にあるものが、以降の調達関連の手続きでも使われているようですね。(学習者用 PC 用管理サーバの調達も含んでいたので、その部分は教委情第 435 号以外では削られていますが。)

入札で使われる機器の要求仕様書は、基本的には入札参加者への間口を広くしておけるよう、特定メーカ、特定製品に偏らないような記述をすることが多いわけですが、県が提示した仕様書を見る限りでは特定メーカーが有利になるような記述はないですね。(OS に「 Windows 8 」を指定している点で、 Apple 製品は除外となりますが、まぁそれはそれ、ということでしょう。)
また、生徒全員で共通となる電子辞書までが仕様の範囲内で、それ以外については別調達であることが明記されています。

別表 学習者用端末仕様(1/3):教委情第435号 佐賀県学習用PC調達に係る公告(公報掲載)について(伺)別表 学習者用端末仕様(2/3):教委情第435号 佐賀県学習用PC調達に係る公告(公報掲載)について(伺)別表 学習者用端末仕様(3/3):教委情第435号 佐賀県学習用PC調達に係る公告(公報掲載)について(伺)

知恵比べ、大人が子供に負けることは、よくあることで

セキュリティに関しては、よく「イタチごっこ」ということが言われるわけですが、守る側と破る側、お互いが互いの思考をどう越えていくのか、という点については確かにゲームみたいなもん、と思えなくもないでが、守る側として劣勢の立場に経ってしまうと、色々大変だったりするんですよねぇ…。

子供にとっては、制限の掛けられた PC やスマホは格好のおもちゃになるのか、制限をくぐり抜けるのがゲームの裏技を探すような感覚なんでしょうね。子供に「興味持つな」なんて言ったところで、そりゃ無理な相談ですし…。
だから、ちょっとしたきっかけで、制限が外せることが判ってしまうと、

本来は多様な機能を使えるスマートフォンに対して、学校側は制スマホに使用制限をかけられる携帯電話会社推奨のアプリを使うことで対策を取り、ゲームアプリなどはダウンロードできないようにしていた。ところが一部の生徒が、スマートフォンを初期化すればゲームなどのアプリを自由にダウンロードできることを突き止めてしまった。

[From 「ソーシャル新人類」の不夜城~10代は何を考えているのか - 大人による設定を軽々突破、裏ワザにたけたデジタルネイティブたち:ITpro]

といったことが、起きるわけですね。
その辺はアメリカでも事情は同じようで、

ホーボーケン校では配布したノートPCにポルノサイトやオンラインゲームサイトにアクセスできないようにする「Net Nanny」と呼ばれるソフトウェアを導入していましたが、このような対策は「12歳のハッカー」たちにはまったくもって無意味で、ネット上にNet Nannyをハックする方法を詳細に示した掲示板が立ち上がり、次々とハッキングされるのを防ぐ術はなかったとのこと。

[From 中学生全員にノートPCを配布した結果、何が起きたのか? - GIGAZINE]

現場で対応する先生や支援者も、いろいろと大変なようです。

電子黒板とタブレット PC の導入ですか… #文京区

一つ前のエントリーを書いている時に気がついたのだけど、文京区の平成 26 年の重点施策の中に、「教育情報ネットワーク環境整備の充実」という項目があったのに、ようやく気がつくなど。

一応、次のようなことをやる、らしいのだけど、項目だけで詳細がわからない。

  1. 小・中学校の全普通教室に各1台電子黒板を設置するための調査・設計を行う。
  2. 各幼稚園でコンピューターを用いた情報資産が活用できるよう、学校ICTの活用環境を整える。
  3. モデル事業として電子黒板、タブレット型PCを導入する。

さて、書いてあった概要だけから類推するに電子黒板導入に向けての調査と、それに合わせて実際の授業での活用方法を模索するために、モデル校選定と研究を今年やる、という感じみたいですね。(ただ、タブレット型 PC の導入が唐突に出てくるのが、ちょっと…。)
まぁ、やるのであれば、成功事例、失敗事例、色々と調べた上でやってもらいたいものです。勿論、タブレット PC 導入が主目的で活用方法が後付な自治体や、教材配布で躓いた事例は見習わないようにしていただきたいところ。

あと、「各幼稚園でコンピューターを用いた情報資産が活用できるよう」ってのも、なんか謎なんだよなぁ。どんなことやるんでしょうね。

詳しい情報を手にするためには、情報開示請求ですかね。
ということで、手続きの方法、調べておくとしますか…。

保護者向けの配布資料を入手しました(タブレット PCの件) #佐賀県

情報公開請求制度に則って取得した文書が、佐賀県から到着しました。

ただ、公文書名が「学習者用端末導入に係るパンフレット作成・配送業務委託に係る見積書の提出について」と、ちょっと意図していた内容と微妙に違う感じのものが開示されるような文書名なので、現物見てみないことには、なんともコメントのしようがないなぁ、と。

[From 保護者向けの配布資料を確認してみたかったので(タブレット PCの件) #佐賀県 - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

開示された文書は、下記のリンクから参照出来るようにしてありますので、興味のある方はご覧ください。

[PDF]教委情第186号 学習者用端末導入に係るパンフレット作成・配布業務委託に係る見積書の提出について(伺)

開示された文書自身は、4つのパートの分かれているので、それぞれに自分なりのコメントをつけていきたいと思います。

起案文書(1 ~ 6 ページ)

まずは、起案文書。
作成部数だったり、発注予算だったり、納期だったり、発注仕様書だったりなので、まぁこんなもんでしょうねぇ。発注金額が妥当なのかどうか、発注先の選定はどうだったのか、という点に興味があったわけではないんで、この部分については以上。

個人所有タブレット PC を #佐賀県 が好き勝手に管理出来るものなの?

佐賀県立高校でのタブレット PC の件ですが、動きがあったようですね。教材のインストールのほうは、前に書いたとおり人海戦術を取るようですが、それとは別にリモート操作で新たなソフトがインストールされたという話が、以前から紹介しているブログのコメント欄に…。

インストールやカスタマイズが厳しく制限されていいるます。さらに、5月22日にモバイルデバイスの管理用ソフト「Optimal Biz for Mobile」が導入されたと発表されましたが、知らないうちに操作してインストールされているみたいです。これは、生徒も先生も知らないと思います。こんなことがまかり通るんですね。びっくりしました。

[From 思った以上に大きな反響があって驚いています - 佐賀県ICT利活用教育の現場報告 - Yahoo!ブログ]

リモート操作でソフトやデータを配布する機能自体は、 SKYMENU でも持っているようなので、今回はそっちでやったのではないかと思うのですが、インストールされたソフトのほうが法律的な面からみると扱いの難しいもののようなのですな。

そこで、オプティムが保有する特許技術である「Zone Management」が注目・採用され、先生方の負荷低減が実現しました。「Zone Management」とは、場所(ゾーン)などの判別情報をもとにあらかじめ設定されている端末の設定を自動的に切り替えるオプティム独自の技術です。「Zone Management」を搭載している「Optimal Biz for Mobile」を利用することにより、学校と自宅という異なる場所(ゾーン)を判別し、学校にいる間は端末に対して学校のネットワーク設定(スクールモード)を適用します。適用された設定を生徒が変更しようとした際にも、学校内にいる間は「Optimal Biz for Mobile」が自動的に端末の設定をスクールモードに再設定するため、私物のネットワーク端末(スマートフォンによるテザリングやモバイルルーターの使用など)を利用しての意図しないインターネット使用の抑制が可能となります。また、生徒が学校外で端末を利用した際には「Optimal Biz for Mobile」が自動的にスクールモードの設定を解除するため(プライベートモード)、自由に端末の利用が可能になります。

[From 「Optimal Biz for Mobile」が佐賀県全県立高校の新入学生、 約6,800人が使用する全ての学習用タブレット端末に標準搭載!]

Optimal Biz for Mobile という製品は、モバイル機器を一定のポリシーに基づき一括管理(アプリの配布・更新・削除や、移動履歴の取得・表示、緊急時の遠隔ロックの実行など)を行うための Mobile Device Management 用のシステムなのだそうで。

一般的にMobile Device Managementの機能として、端末情報のバックアップ・リストア、資料の配布、紛失時の遠隔ロック、移動履歴の表示、アプリケーションの配布・更新・削除・起動ブロック、ユーザによるインストール不可能化などが挙げられる。

[From Mobile Device Management - Wikipedia]

開けない宿題に、持ち帰れないキーボード? #佐賀県

日が経つにつれて、駄目っぷりの暴露度合いが加速しているような気がする、佐賀県立高校でのタブレット導入の件。 こんなのを、今朝見かけたわけですが、こりゃまぁ酷いとしか言いようがないですね。

学習のために購入を強制させられたものを使っての学習ができないのって、金返せ(機器代 & 授業料)と言われてもしょうがないと思うんですけど?

宿題ができないってのも変な話ですが、更に酷いと思ったのは、この部分。

娘の話を聞いていると、「タブレット部分は家に持ってかえっていいんだけど、キーボード(脱着式)は持って帰っていけないって言われてる。」「なんで?」「わからんけど・・。」

[From 佐賀県の公立高校に通う娘から「宿題が開けない、これどがんしたらいいと?」 | ぱんにゃっと/H&Y]

勿論、この娘さんの通っている高校だけの話なのか、佐賀県全域での話なのかはわかりませんが、「個人所有物」の一部であるキーボードを自由に持ち帰れないって…。
タブレット自体も、個人所有物にもかかわらず、個人での使用には大きな制限が課されてるってのにね。

#佐賀県 は、人海戦術で事にあたるようです(タブレット PC の件)

ということで、動きがあったようですね。
結局は、人海戦術で、ということのようです。

同課によると、県立高36校のうち34校で、教材メーカー大手2社のソフトが50分の授業時間内にダウンロードできない不具合が発生した。容量が大きいことが主な原因で、2社のうち1社はファイルを分割することで容量を縮小、もう1社はダウンロード方式ではなく、教材ソフトのデータが入ったUSBメモリーを端末に接続してインストールする。

[From 職員が手作業 県立高タブレット不具合|佐賀新聞 電子版]

ま、媒体渡しが出来る機種でよかったですね、ってところでしょうか。

この佐賀県のタブレット導入に関しては、マイクロソフトの絡んでいるということですから、アクセサリーメーカーと組んで、管理ステーションを使ったソフトのデプロイメントシステムを組めばいいのにねぇ、と思ったりするわけですが…。
いずれ、タブレットの大量導入の話が(学校にかぎらず)活発化してくれば、こういったソフトウェア配布に関するトラブルは増えていくでしょうから、そういったことに対応するためのソリューションは、メーカーとしても抑えておきたいところではないでしょうか?

Ergotron DM16-1003

日本マイクロソフトなど教育のIT化を支援する45社で構成する「Windows クラスルーム協議会」と佐賀県教育委員会は12月10日、学校教育のICT化に関する共同研究を始めると発表した。同県では来春から県立高校生に1人1台のタブレットを導入する計画。1人1台を前提としたインフラ構築や、教師による教材作成、セキュリティ対策などについて報告書をまとめ、教育関係者に広く公開する予定だ。

[From 「1人1台タブレット」導入の佐賀県教委、マイクロソフトと教育のIT化を共同研究 - ITmedia ニュース]

実際問題として、ソフトウェアをデプロイする方法を考えておかないと、来年度は新入生用のタブレットだけではなく、今の一年生の進級時に発生するデジタル教材入れ替えもあるんでしょうから、ヘタしたら今年以上の混乱に陥る可能性が高いと思いますよ。

タブレット PC 、現場から聞こえるのは悲鳴のみ

前に書いたエントリー、珍しくコメントが付いたなぁ、と思って読んでみたら、どうやら学習者用 PC (と言う呼ばれ方をしている模様)を操作できる立場にある人からではないですか。

正直これはPCではないです。 PCと言う名の教材。

[From 授業時間削って、生徒自らがインストール、だと… - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

コメントには、URL が一緒に入力されていたので、そちらを見に行ってみたんですけど、学習者用 PC を使って授業を受ける側、要は実際に佐賀県の高校に通う生徒からコメントだったようです。
最初は、「 IT 系の仕事に就いている保護者?」かと思ってたんですが、彼(彼女?)のブログの他の記事を読んでみて、なんか違うなぁと思ってたのですが、追加されたエントリーを読んで確信に至った次第。

学習者用 PC 自身の状況は、どうなのよ?

さて、コメントに書かれた内容を整理すると、学習者用 PC の設定に関しては、次のような状況のようです。

  • 利用者である生徒に対するユーザ権限は、かなり制限されている。
    • 利用可能なのは IE 、 Windows Media player 、 exploler.exe 、 Office 関連、デジタル教科書、電子辞書、メモ帳、付箋、ペイントとカメラ。
    • Web アクセスも、 i フィルターによりガチガチに制限。
  • Administrator 権限は、タブレット端末の購入窓口でもある学映システムのみが保持している。(コメントの書きっぷりからいくと、学校側には Administrator 権限が与えられていないような感じが…。)
  • アンチウィルスソフトは、ウィルスバスターのコーポレートエディション。

あとは、学習支援システムとしての SKYMENU 関連のエージェントが入っている、という感じなんでしょうかね。
「極力、制限をしておきたい」という考え自体は理解できますけど、ユーザの立場や利用目的を考えた権限の設計とか出来ているんですかねぇ、というあたりには非常に疑問を感じるところです。

実際の操作感なんかは、彼のブログの方に細かく書かれているので参照してもらうとして、運用面もグダグダなら、実機の操作面もグダグダなようです…。

1.起動が遅い。
→SSDなので早いと言う人も居ますが、電子辞書と比べたらログインの手間とかもあって遅いです。 軽く調べたい時にはとってもイライラするほど手間があります。

[From とても眠い人のブログ: 学習者用PCの問題点]

自分が読んでみた感想としては、「使えないもん、買わせるんじゃねぇよ」と。
コメントをくれた彼も書いていますが、プログラミングが出来る環境は準備されていても良かったかもしれません。授業でやるかとか、全員が使うかとかは関係なく、環境が準備されていれば、興味のある子は独学でどんどん必要な知識を身に付けていくでしょう。
そのほうが、よっぽど教育効果が高いんじゃないかと思うんですけどね。

それにしても、自宅には自分専用 PC があるとか、自分専用ではないけど家に PC があって自由に使うことが許されているという家庭もあるでしょうから、そういう環境で育った子にとっては、使いにくいものを授業で使わされるという感覚を感じているんじゃないでしょうか?
(もしかすると、「高校入学したらお祝いに」 iPad 買ってもらえるとか、 iMac 買ってもらえる、という約束があったのに、それを反故にされてしまった、という生徒もいるかも…。:-p)

授業時間削って、生徒自らがインストール、だと…

佐賀県の県立高校での授業用タブレットのインストールトラブルの件ですが〜、かなり現場に近いところから、状況を伝えてくれている方がいらっしゃったようで、今年の2月頃からの現場側から見たドタバタぶりが記録されておりました。教師なのか ICT 支援員なのかはその立場はわかりませんが、報道では出てこない生々しい内容も多く、実際に現場はかなり苦労されているな、ということがよく伝わってきます。

それにしても、ちょっと驚きなのが、デジタル教材のインストールに関する話。

・インストールは授業時間内に、県・業者の作成した実施手順に従って、授業担当教師と生徒が自ら行う
・方法は、校内LANにあるvbsファイルを、教師の学習者用パソコンのSKYMENUで実行して、生徒のパソコンにインストール(またはフォルダを作ってファイルをコピー)するというもの

[From デジタル教科書・デジタル教材のインストールが始まりました - 佐賀県ICT利活用教育の現場報告 - Yahoo!ブログ]

この部分で、膝から崩れ落ちるような感覚を覚えた方もいるんじゃないかと思うのですよ。「ネットワーク、細いんじゃ?」とか「サーバが悲鳴あげてるんじゃ」的な指摘はたくさん見ましたけど、実際には想像の斜め上を行っていたという…。
にしても、もう少しスマートにデジタル教材の配布やインストールが出来るような仕組みは、用意できなかったのかと…。これが、工業高校の情報系だとか商業高校の情報系とかだったら、生徒に実際にインストールを経験させるというのは教育的な意義はあるとか無理にコジツケできそうですけど、普通科の生徒にまでというのは、ちょっと酷だよなぁ。(勿論、個人ごとのリテラシーレベルの差もありますし。)

さらに、vbsを実行してというのも、どっかの誰かが悪意のある仕込みをしたvbsを実行してしまったら…、なんてことを考えたらガクブルな状況になりそうなので、そういう意味でも非常に恐ろしい。
#つか、普通に Windows 8 Pro が動くタブレット、ってことはちゃんとアンチウィルスソフト入れてるんだよね?それも、生徒負担、か?

インストール手順自体、ちゃんと出来るのか、複数台同時に実行して問題は起きないのか、といった検証をしてないのか、そもそも前年度までの実証研究はなんのためだったんだ、とか他にもイロイロと突っ込みどころ満載なんですけどね…。

設計が悪くちゃ「運用で回避」にも、限度があるんです!

鳴り物入りでスタートした佐賀県でにおける新高校1年生からのタブレット利用の話、早速躓いたようですね。

佐賀県教委が今春の県立高校1年生から導入したタブレット端末で、全36校のうち34校で一部の教材ソフトがダウンロード(DL)できない不具合が発生している。技術的なトラブルのため学校単独での解決は難しく、県教育情報課が「想定外」としてソフトメーカーに調整を要請、不具合解消に乗り出している。

[From タブレットで教材DLできず 県立高34校/佐賀新聞ニュース/The Saga Shimbun :佐賀のニュース]

タブレットを使った授業が開始できない、って時点で本末転倒なのもいいとこだと思いますが…。
記事中には、「親機となる教諭の端末を介して」とあるわけですが、まさか教諭用パソコンがProxyとして動作している、とかとっても素敵な状況でないといいんですけど。

県教育情報課によると、予定通りダウンロードが完了したのは、唐津工と鳥栖商の2校だけ。他の34校が採用している別の教材メーカー大手2社のソフトで、問題が発生した。親機となる教諭の端末を介して各生徒が自分の端末にダウンロードする手順だが、ソフトの容量が大き過ぎて授業時間中に処理が終わらなかったり、エラーとなって処理が中断されたりするという。

[From タブレットで教材DLできず 県立高34校/佐賀新聞ニュース/The Saga Shimbun :佐賀のニュース]

佐賀県では、今年度のタブレット授業導入に向けて、平成22年度から授業へのパソコン導入の実証研究をしていたということなのですけど、その中には「デジタル教材の共有、配信の機能も持った学習管理支援システムの構築」という項目も入っていたようで、独立系ニュースサイトの記事の中で公開されている実証研究の評価表の画像を見ればわかります。
おそらく、この学習管理支援システムが学校単位で設置されたんだんではないかと思うのですが、それとは違う形で教材の配布をしているんでしょうかね。

県指定機種を生徒に買わせているのだから、学校ごとに教材をキッティングしてから生徒に渡す、ということも出来たのではないかと思いますし、複数台のタブレットの充電・同期を行う管理ステーションのような製品もあるわけですから、そういったものも同時に各学校に設置するとか、イロイロと事前に手は打てたはず。
そもそもタブレット導入に際しての問題点の洗い出しをするのも実証研究の目的だったはずで、それが生かされていないの?というのも不思議な話ではあるんですが。