試合に勝っても勝負で負けてる? #武雄市 の小1向けプログラミング教育

武雄市が「小学 1 年生向けにプログラミング教育やります」ってぶちあげた時に、自分は

とにかく、基礎学力となる「読む」「書く」を身につけさせた上でないと、プログラミング学習なんて無理なんじゃないかと思うんですけどねぇ…。

[From 反転授業に花まるにプログラミングだぁ? - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

と書いていたわけですが…。

そのプログラミング教育の公開授業兼成果発表会(作品発表会)が、先日行われたそうです。
授業の様子などは、togetter でもまとめられておりました。

児童の「作品」そのものは出来が良かったようですし、今回判明した問題点だったり課題が共有されれば、今後に活かせる材料となるでしょうね。

担任の先生からは、「1年生には難しい点もあった」、「授業のサポートのための人員が必要」といった話が出て来ているわけですが、

一方で、学級担任の藤瀬澄子教諭は、「ブロックをつなげる作業は1年生には難しく、児童1人ではできなかった。1対1のサポートが必要だった」と語った。今回の授業では、1クラス20人の授業に対して、1年生の学級担任3人を含む6~7人がサポートとして入ったという。

[From 小1へのプログラミング教育、佐賀県武雄市が成果報告:日本経済新聞]

ただ「頭数だけ」揃っていれば良い訳もなく、プログラミングを教えることが出来る人員が複数確保しないといけないわけで、プログラミングの素養のある教員を集めることは、まず無理。どこかの企業に支援を仰ぐにしても金銭面の問題や、正規の授業時間枠では実施出来ない

といったことも考慮しなければいけないようなので、「武雄市のように、わが町でも」と簡単に進められる話ではなさそうですね。


ところで、旗振り役であった東洋大の松原教授は、

同日の成果報告会では、「児童の反応」を指標とした暫定的な評価を公表した。第7回(2015年1月29日)の授業終了後、「プログラミングのじゅぎょうはたのしかったですか?」の質問に対して、出席した児童37人全員が「たのしかった」と回答。この結果について東洋大学 経済学部の松原聡教授は、「一人も落ちこぼれることなく授業についてこられた」と評価した。

[From 小1へのプログラミング教育、佐賀県武雄市が成果報告:日本経済新聞]

と評価されたそうですが、ホントそれだけでいいんですかね?
ちゃんとした分析をして、それを公開することが、今後に繋がると思うのですけど、そういうお考えはないんでしょうかねぇ。

また、小松市長が「今後の予定は未定」と答えざるを得ない状況なのだとすれば、

  • 継続性を考えない、単発の「客寄せイベント」としては、成功
  • 長期的な継続性と普遍性を考えた教育カリキュラムとしては、不発

というのが今回のプログラミング教育で得られた成果だった、ってことですかね?

小松市長は、プログラミング教育はタブレット端末を使う反転授業「スマイル学習」、官民一体型学校「花まる学習会」に続く教育改革の“第3の矢”としながらも、今回の三者協働の取り組みの継続・展開については「未定」とコメントした。

[From 小1へのプログラミング教育、佐賀県武雄市が成果報告:日本経済新聞]

樋渡前市長の「置き土産」だったプログラミング教育、まずは結果が出たわけですが、華々しく発表されたわりには、絶賛できるような結果ではなかったと感じますし、「作品は、素晴らしかった」だけで終わらせてしまってはいけないのではないか、と個人的には思うわけです。

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コメント(1)

アイヴァーン 返信

“ものづくりの楽しさや論理的思考力、想像力を育む狙い。” - https://archive.today/psoU9#selection-955.129-955.155 - からすれば,東洋大松原教授?とやらの暫定評価はその一端である「ものづくりの楽しさ」を実感してもらうことができていたとしても,「論理的思考力、想像力を育む」ことができたか否か?は評価し得ないでしょう。
なぜならば,従前の状況がどうであったのか?の考察など見かけた記憶もなく,プログラミング授業の成果を測りえないのですから…。

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