#自治体特選ストア の不振報道は、完全閉鎖に向けての観測気球、か?

さて、先週のことになりますが、地方紙にだけど、似たようなタイミングで 佐賀県県知事選に自民党本部公認で出馬したのに落選した前武雄市長 樋渡啓祐氏が旗振りをしていた、自治体特選ストアに関する記事が掲載された。

武雄市など全国の自治体・団体が集まって地元産品をネット通販する「自治体特選ストア」の運営協議会から、2014年度に8市町が脱会した。「経費に見合う売り上げがない」と、費用対効果が得られなかったことを理由に挙げる市町が多い。自治体の通販サイト運営の難しさもうかがわせる。

[From 武雄市核に発足5年目 自治体通販サイト暗雲|佐賀新聞LiVE]

全国の自治体や団体が地場産品を販売するインターネット通販「自治体特選ストア」の加盟数が減少している。4年前の開設後、話題になり、22団体が参加した時期もあったが、売り上げ低迷などを理由に脱退が相次いだ。現在は15団体にまで落ち込み、正念場を迎えている。

[From 自治体特選ストア暗雲、低収益で脱退相次ぐ 武雄市発特産品共同販売サイト - 西日本新聞]

いずれも「不振」であることを伝えているわけですが、何故このタイミング?ということに関しては、全国「自治体特選ストア」運営協議会の総会が 5 月 13 日に行われたことが関係しているんじゃないかと、勘ぐっている。

佐賀新聞は翌日、西日本新聞は翌々日の記事掲載、しかもほぼ同じような内容で、独自取材で掴んだと思われるネタも含まれていないということから推測するに、ニュースソースは同じ。だとしたら、総会を両方の新聞社に取材させてたからなんじゃないかなぁ、という推論なんですけどね。

今更「不振だ」と言われましても…。

自治体特選ストアには「地域所得の向上を目指す」という謳い文句があるんですが、売上が上がってないことは既に明らかになっているわけで、今更「不振です」と言われてもねぇ、というのが正直なところですし、そのこと自体出品している事業者が一番わかってるんじゃないかと思うわけですよ。


税金からの支出に見合ってる?

出品(した|したい)事業者は出品料無料ですが、参加自治体は税金から初期費用 200 万円 、月額運営費 15 万円を支出しているわけですが、それに見合ったサービスを受けられているのか?という観点でみても、あまりにもひどい状態ではないかと思うわけです。

サイトにアクセスして、一番最初に画面表示された状態をみてみると判ると思うので、近頃の一般的(と思われる)なノート PC の画面解像度である WXGA(1366x768) サイズでスクリーンショットをとってみた。

自治体特選ストア武雄 トップ

なんで一番目立つ位置に「お買い物の流れ」なんて説明が置いてあるのかが、まず疑問。これだけで、あと見なくていいやと思わせてしまっているように感じますけどね。
また、画面上 1/3 近くを Yahoo! のエリアとして持っていかれるうえに、画面下にもポイントキャンペーンのバナー表示されている状態なので、ただでさえ狭いストア側で使えるエリアを有効に使えていない、なと。

同じ Yahoo! ショッピングを使っているいわて一本松商店だと、こんな感じ。

いわて一本松商店 トップ

画面的な制約は同じですが、随分印象が違いますね。少なくとも、今のイチオシ商品は何なのかは明確ですし、絶妙な位置に下にスクロールしてみたいと思わせるような「うに祭」のバナーが置いてあるという画面構成。
アクセスした人の興味をうまく惹くように、よく考えているんだろうなぁ、というのが感じられますね。

Yahoo! ショッピングへの出店は無料なこととの引き換えとして画面構成上の制約が大きいとも考えられるわけで、その制約の中で如何にアクセスして来た人に商品に誘導するのかが肝なんだと思うのですけど、どうもそういった部分を熟慮した上で、用意されているテンプレートを最大限使い込んでやろうというふうに見えないのが、自治体特選ストア…。

一度作ったものを変更するでもなく、季節や各地域ごとに細かく変化を付けたり、商品の大幅な入れ替えが行われるわけでもない。
さらにいえばサーバ運営コストは 0 円なわけですし、各自治体から入ってくる毎月 15 万円に見合っだけの商品ページの追加や修正といった作業なども、外部から見てそう発生しているようには思えないですから、運営側はコストを掛けることなく、売上に左右されることもなく運営費を受け取っているということになるわけです。
#要するに、「自治体による特定企業の為の他自治体からの税金収集システム」のようなもの、とも…。

テコ入れなのか、はたまた…

スタートから 4 年経過して居るにもかかわらず、鳴かず飛ばずなうえに、各地の自治体によるふるさと納税に対するお返しの品の競争が激化してきている中で、現状のままの運営体制で埋没していくのか、はたまた何らかのテコ入れをするのか。
もしかすると、撤退戦を開始するための観測気球として、あえてリークのような形をとったのか、とかとか、いろいろと想像は尽きないわけですが、

今後も継続してウォッチ対象としておかないといけないことには、変わりははなさそうですね。
#このあたりは、参加自治体にお住いの方々にも、お願いしたいトコロ…。

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