#自治体特選ストア という泥船からの脱出

自治体特選ストアに参加中の鞍手町の苦戦が伝えられたのが、ほぼ 2 ヶ月前。
やはり「撤退」という選択をした模様。

鞍手町は2013年末に加わった全国の特産品を販売するインターネットサイト「自治体特選ストア」を、今年度末で離脱することを決めた。

[From 鞍手町:自治体特選ストア離脱へ 業者のHP開設支援 /福岡 - 毎日新聞]

これで、自治体特選ストアへの名称変更のタイミングで撤退した静岡県三島市、今年の 1 月末で閉鎖となった岐阜県関市に続き、撤退が確定した 3 番目の自治体となりました。
1 年と 1 ヶ月ほどでの撤退表明ということですから、行政が結果を見て判断するタイミングとしては、かなり早いように感じます。

これ以外の自治体でも、少なからずとも動きがあるようで、議会だよりに自治体特選ストアに関する答弁内容が掲載された長崎県東彼杵町や、来年度の予算に自治体特選ストアの運営費が計上されなかった京都府京丹後市など、年度内に撤退しそうな自治体が、まだ出て来そうな雰囲気。

行政評価報告で事業廃止の評価が出た石垣市も、来年度以降も継続が難しい状況なのではないかと思うわけですが、どうなるのでしょうね。

このうち、「石垣島sg」はサイト運営費が年間200万円に対し、4—12月の売り上げが20万円と費用対効果が低いとして「廃止」評価となった。

[From 「事業廃止や見直しを」 外部評価委が市長報告 | 八重山毎日新聞社]

「売れていない」ことが議会答弁の中で示された自治体(前述の東彼杵町や郡山市とか)もあるようですが、他の自治体は、今度どうするつもりなのでしょうか?
来年度の予算審議の行われるこの時期は、要注意ですね。


泥船だから、船頭も逃げ出した?

そもそも、FB 良品改め JAPANsg 改め 自治体特選ストア は、前武雄市長で佐賀県知事選で佐賀県民から「No!」を突き付けられた樋渡啓祐氏の肝いりで始められた事業なわけですけれど、その武雄市と Facebook 上での通販システムを開発したアラタナ、Facebook ページの構築運用を担当する SIIIS の三者で作った、 F&B ホールディングス企業連合なる団体が、実質的な自治体通販システムの運営者。(持株会社というわけでもないのに「ホールディングス」って付いているのは、樋渡氏が「かっこいいから」とかって理由でつけたんじゃないかと言われていたりしますが…。)

んで、Facebook 内での販売システムを、ネット通販 ASP の MakeShop に変更することになったタイミングで、通販システムの開発をしていたアラタナが抜け~、と言葉で説明するよりも下に引用する tweet にある画像を見てもらったほうが判りやすいと思うのですが、構成員の出入りが激しく、発起人であり自治体特選ストアの舵取り役でもあった武雄市は、2014年 度に入って、記録も残さずに企業連合から脱退済。 → [武雄市] H07-02-03 武市商第77号 不開示決定通知書.pdf

satisfaction guaranteed という「アジアで最も有名なブランド」を引っさげて途中参加した、Sg 社もブランドライセンスを引っ込めて脱退。

上の画像で Si 社とされているのが、サイオス・テクノロジーの連結子会社であった SIIIS。ここから、自治体通販事業を譲渡され、独立したのが c 社とされる cotode なわけですが、上場企業の連結子会社の代表取締役社長が、特定自治体(とその首長)にベッタリな状況なのが IR 的にヤバイと判断され、親会社からトカゲの尻尾切りのごとく切り離された、という穿った見方もできなくなくもなく…。
#事業譲渡元となった SIIIS も、事業譲渡からしばらくして関心空間へと社名変更してたりするんですよね。

企業連合自体は、cotode と 47PLANNING という 二社により構成されているというのが現状のようですが、47PLANNING の社長は、cotode の社外取締役だということですので…。

その、F&B ホールディングス企業連合なる団体の代表構成員である cotode 。 SIIIS からの事業譲渡のタイミングで、本社を福岡市から武雄市を移し、もともとあった福岡市のオフィスはそのままだったのですが…。
今年の 2 月 10 日付けで、 cotode 福岡オフィスが入居してた部屋に対して、入居者募集が開始されているという状況。

募集開始の日から、いろいろ逆算して考えてみると、少なくとも1月中旬には、福岡オフィスを引き払っているんじゃないかと思われるわけですが、会社案内のページに記載されている住所は、現時点でも入居者募集がかかっている場所のママ。
事業拡大でオフィスが手狭になっての移転というのであれば、移転案内をするでしょうし、福岡オフィスが業務の中心であったとすれば、そのオフィスを引き払っている(夜逃げさながらに?)という時点で、色々な憶測が出てくるわけです。

あと、自治体特選ストアのストア責任者が 1 月末で退職したと思われる社員名のままなうえに、問い合わせ先情報の住所欄も福岡オフィスのままで暫く放置状態だったというのもあったりしましたので、そこまで考慮すると、台所事情が宜しくないんですかねぇ、と。

「自治体通販」という仕組み自体の発案者である武雄市が運営側から抜け、運営の主体であるはずの cotode は企業としての存在が疑われるような状況にあることを、自治体特選ストアの参加自治体は把握されているんでしょうか?新年度になったら、いきなりサイトが消えてなくなる、なんてことが起こらないことを祈らずにはいられません。 #樋渡啓祐氏の立ち上げた会社に事業譲渡、なんてことは一番起きてほしくないシナリオですけど。

何が違いとなるのだろう…

今のところ、日南市以降に新しく自治体特選ストアへの参加を表明している自治体は出て来ていない状況。
#でも日南市、行政としてオープンしたことを正式には発表していないんですよね。不思議不思議。

ちょっと前に流れた、ちょっと気になる tweet …。

ホイホイと甘言に惑わされて税金の無駄遣いを決めてしまった自治体と、甘言に惑わされなかった自治体。その両者には、一体どんな違いがあったんでしょうね。

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