モノフェローズ・セミナー:ソニーαシリーズ《セミナーの様子と実機の印象》

みんぽす

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α330 ブラウン

一昨日発表されたソニーαシリーズのエントリーモデル、α380/330/230のセミナーの様子をお伝えするエントリー。
自分も別のエントリーで外観写真を載せたり、ニュースサイトなどでもプレス向け発表会の様子が出ていたりするので、スペックなどはそっちに任せるとして、普段聞けないようなプロの写真家の本音トーク(?)や開発のこぼれ話といったところを中心に纏めておきたいと思います。

セミナーは、ソニーマーケティングの北村氏の司会で、写真家の小澤 忠恭氏と商品企画担当の竹倉氏が話していくというパネル・ディスカッション風に進行していきました。

新しいαの狙うところ

スライド:渾身のカタログ

セミナーは、北村氏によるカタログのコンセプト説明からスタート。

北村氏が、今回のカタログを作るにあたってこだわった点は「ユーザが撮ってみたいと思わせる写真」を使い、「αの世界観を共有出来る」ようなものにすることだったのだとか。カタログによく見られる、「いかにも海外で撮りました〜」という写真は使いたくなかったので、テーマは身近にあるモノということで少年サッカーを被写体として選んだのだそうです。
小澤氏も「ユーザが撮ってみたいと思わせる写真」という点に共感してオファーを受けたそうですが、今まで全く撮ったことのない被写体をα380で、それも小学校の校庭で子供達の保護者に混じって、という全く初めての状況での撮影だったということで、大変だったというようなことを話されていました。(撮影が入るということも伝えてなかったらしい。)

ただ、その時に撮影した画像を保護者に見せた時に「こんな真剣な表情を見たことがない」という声が多かったそうです。
小澤氏いわく、「真剣な時ほど、いい表情してるんだ。その真剣さを撮るのが写真だと思う。なんかポーズとってる写真しかないのは、つまらないよ。」とのこと。ここで、「ソニーさんには、写真を撮ることは、こういうことなんだという世界観や文化を創るような仕事をして欲しい。」というリクエストが・・・。


スライド:カメラの大きさ・デザインってなんでしょう
デザインについて語る竹倉氏
苦心したというUIの一部

デザイン、α330に用意されたブラウンというボディカラーについてなどなど、商品企画の竹倉氏から説明がありました。

  • グリップは、爪を伸ばしている女性でも持ちやすいようにデザインした。
  • 何故、ブラウンというボディカラーなのか。
    • 白やシルバーは、パッと見のウケはよいが、実際の購入に結びつかない。また、キットレンズ以外は黒で有ることがほとんどで、レンズを交換した時のバランスが悪い。(汚れやすそう、という意見もある。)
    • CyberShot T77でブラウンを採用したところ、男女にバランス良く受け入れられたという実績があったことと、黒いレンズとも色味的な相性がよいことからブラウンを採用。
    • 330はボディカラーに合わせてレリーズ周りの色も変えた。ノーブルブラウンには、シャンパンゴールドの組み合わせ。
  • α330については、グリップ部の表面加工も凝ってみた。380、230では皮シボ風だが、330は千鳥模様になっている。(注:実際には 330もブラウンは、皮シボ風の仕上げになってました。)
  • 380、330には、α350で好評だったマルチアングル液晶を採用。
    • 「光軸がずれてないのは使い易いし、手のひらで映像を包むような感覚で撮れるのは良いよね」と小澤氏。
  • 気軽に持ち歩いて欲しいということもあり、カメラにあわせてショルダーストラップや、ラッピングクロスなどを3色展開で用意した。
  • 「使いやすさ」にはUIも重要なので・・・。
    • 随所にヘルプガイダンスを入れたり、メニューもアイコン+文字にするなど、簡単さを追求。
    • シャッタースピードと絞りの関係を判りやすく表現した撮影情報画面は、他社よりも優れていると自負している。
  • 液晶画面は、従来のモノより高輝度タイプを採用。その特性を活かすために、液晶部に環境光センサーを配置し、外光にあわせて輝度を最適な状態にする仕組みを入れた。(輝度調整出来ることを知らない初心者から「液晶が暗くて見にくい」という声が多かったから、とのこと。)
  • ブラビアリンク対応なので、HDMIでαとブラビアを繋げば、リモコン操作で簡単に画像再生やスライドショーを楽しめる。撮った画像を見るという事についてのソニーからの提案という面でもあるとのこと。

質疑であった「動画機能は、何故入れなかったのか」という質問に対しては、「(色々聞かれるのだけど)現時点では、まだαに搭載するには時期尚早と考えている。APS-Cサイズの被写界深度でのピント合わせの難しさと考えると、エントリーよりもハイエンド側から、といったことも含めて考えている。」(北村氏)とのことでした。

他にも、「絞りの数字の意味が分からなかったけど、今回採用した撮影情報画面見てやっと理解出来た。」(北村氏)、「カメラって楽器演奏みたなものなんですね、という(北村氏の)言葉を聞いて大丈夫だと安心した。」(小澤氏)、「サッカー撮って判ったけど、スポーツ撮ってる連中はすごいね。置きピンじゃなくて、空間にピント合わせられる連中なんだもん。」(小澤氏)といったこぼれ話や、「写真は、予測芸術。そのためには自分の使うカメラの癖を掴んでおくことは重要。」(小澤氏)、というような非常に為になる話を聞くことが出来ました。

実機撮影での印象

α230
α230 リアビュー

一通り製品説明が終わったところで、実機を使ってのモデル撮影タイムに突入。

ボクが最初に手にしたのは、α230。α330からライブビューを省いただけという感じで、基本的なスペックはほぼ同等。
とにかく、コンパクトで軽いのだけど、パッと見、細くて華奢な感じのグリップが実際はしっかりと握れていたので、この点は非常に好印象。
ボディ自体も、必要最低限のボタンしかなく、非常にシンプルに仕上げてあるなぁ、という点は良いと思いました。

実際に撮影してみた感じは、気持ち良くシャッターが切れるというか、狙ったタイミングでちゃんとシャッターが切れるなぁ、という感じ。フォーカスがもたつくようなこともなかったのも、気持ちよく撮れるなぁと感じた原因かも知れません。
この辺は実際に触ってみないと判らない感覚的な部分ですが、フィーリング的には380、330、230の間の差はほとんど無かったなぁ。

会場には、ボディと同時に発表された50mm F1.8やフラッシュも持ち込まれていて、自由に使うことが出来ました。
特にフラッシュは、立てるとON、倒すとOFFという使用状態が判りやすい機構になっていたり、スライドスイッチ一つでノーマル/バウンスを切り替えられるなど、わかりやすさ優先でデザインされていました。

また、撮影タイム中には、小澤氏自らが補助をしながらのレフ板+ワイヤレスストロボによる撮影が出来たりと、貴重な体験もすることが出来ました。
残念なのは、この時の撮影データを持ち帰ることが出来なかったこと。デジカメで、画像の評価が出来ないというのはちょっと痛いなぁ、というのはセミナー参加者全員が思っていたようです。(流石に、開発途上ということもあったのかも知れませんが。)

全体を通して

今回発表になった3モデルを見て思うのは、エントリークラスの選択肢がかなり広がったなぁ、ということ。コンパクトカメラからの乗り換え組をいかに取り込むのかというところに、各メーカとも苦心している中で、コンパクトタイプにはない一歩先の交換レンズやフラッシュなどを含めた「撮る楽しさ」を提案しようという点は、とても好印象でした。

クラス的にも価格的にも、kiss X3やD5000あたりとの真っ向勝負となる(特にα380)だけに、この時期に出るモデルとして動画機能無しというのは微妙な気もしますが・・・。
カメラ自体の素性は良いと思うので、初心者にはお勧め出来るカメラだと思います。

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