Debian GNU/Linux(lenny)をインストールしてみる:準備編

以前書いたDebianのインストール手順のエントリーも、すでに3年以上経過。安定版もetchからlennyに変わって久しいので、そろそろ中身をアップデートしようということで、前回のものをベースに最新に近い内容にアップデートして行きたいと思います。

Debianとはなんぞや?

Debian(正式にはDebian GNU/Linux)は、Debianプロジェクトが開発を進めるLinuxディストリビューションの一つです。

Debian -- ユニバーサルオペレーティングシステム :

Debian はあなたのコンピュータのためのフリーなオペレーティングシステム (OS) です。オペレーティングシステムは、コンピュータを動作させるために必要な基本プログラムとユーティリティの集合体です。 Debian は現在、OS の中核として Linux カーネルを利用しています。しかし、OS の基本ツールのほとんどが GNU プロジェクト に由来しているため GNU/Linux と名づけています

特定の企業や団体のライセンスに縛られることなく、自由に利用することの出来るOSを用意することを目指していることが、最大の特徴と言ってもいいかもしれません。
またdpkgを中核とした強力なパッケージングシステムにより膨大な数のパッケージを効率よく管理する事が出来るようになっていること、i386、AMD64やPowerPC、Sparcなど多くのアーキテクチャに対応しているのも大きな特徴です。

Debianの詳しい歴史を知りたければ、Debian 小史に目を通すことをお薦めします。

さて、ひとくちに"Debian"といっても、いくつかのリリースに分かれて、開発が進められています。

まず、コードネーム"lenny"と呼ばれる安定版。これが、いわゆる公式バージョンとして扱われるもので、現在のバージョンは5.0.7です。安定版は一度リリースされると、個々のパッケージへのセキュリティ・アップデート以外には手が入ることは、ほとんどありません。
「もっと新しいのがいい」とか「多少のトラブルは、勉強のつもりだから」というのであれば、次期正式版(6.0)の候補として開発の進んでいる"squeeze"と呼ばれるテスト版か、コードネーム"sid"と呼ばれる不安定版をインストールすればいいでしょう。

もちろん、"lenny"をインストールした後に、"squeeze"や"sid"に変更することも出来るので、ここでは安定版である"lenny"のインストールを行うことで話を進めていきます。


インストールイメージを入手しよう

次に、"lenny"のインストールイメージを入手します
インストールイメージも何種類かありますが、そこそこ帯域のある回線(ADSLとかBフレッツとか)が使えるという前提で進めていくので、ネットワークインストール用イメージを入手しましょう。
ダウンロードは、Debianプロジェクトのこのページからリンクをたどっていくことになります。ここでまた「ネットワークインストールCD」と「名刺サイズCD」のどちらかを選択することになりますが、先に書いたとおり今回はネットワークインストールCDを選択します。

で、インストール対象となるアーキテクチャごとにあわせてイメージをダウンロードするわけですが、今回はVirtualBox上の仮想マシンをインストール対象とするので、i386版の"debian-507-i386-net.iso"をダウンロードします。
ダウンロードページから下の画像のような記述を見つけて、i386のところをクリックします。

ダウンロードページ中のリンク

どんなPCにインストールする?

普通に考えれば、「ちょっと古いPCを準備して」という感じになるのでしょうけど、古いPCでなくても今は仮想化ソフトという、とっても便利なものがあったりしますので、今回は仮想化ソフト上の仮想PCにインストールする形にしたいと思います。
まぁ、仮想PCでも実PCでもインストールの手順は大きく変わらないので、それほど大きな差はありませんしね。

基本的なインストールが終わってしまえば、あとは必要なパッケージを追加していけばいいし、そういった部分は個別に扱っていきたいと思います。
バリバリにX Window使いたいとか、本当に大容量のファイルサーバを組みたいということであれば、仮想環境ではなく、それに見合うスペックのマシンを準備していけばいいと思うので、ほんとに最小・最低限のパッケージ構成までとします。(仮想PC上で組むんだから、ホストになっているマシン以上のスペックには出来ませんので。)

仮想化ソフトを使った仮想PCの準備方法は、こちら:VirtualBoxで仮想環境を作る - Soukaku's HENA-CHOKO Blog

ところで、ネットワークとディスクのパーティションは?

前回は、多少考えてネットワークやらディスクのパーティション配分を考えたんだけど、今回は仮想環境上の仮想PCを使う前提なので、あまり細かいことは考えずに行きたいと思います。
HDDはさらに大容量化&低価格化が進んで、1万円あれば2TBのものが手に入っちゃうご時世ですから、細かくパーティション構成を考える必要がさらになくなったなぁ、というのが個人的な感想。職場用のファイルサーバを作るとかだったら、OS用に500GB、データ用に2TBといった感じでHDD 2台載せというやり方でもいいんじゃないかなぁ~、と。
#ファイルサーバだったら、NAS買ってきたほうが簡単という話も・・・。(笑)

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