DropboxのLAN Syncが、どれだけ無駄なパケットの投げているのか計算してみた

「DropboxのLAN Sync、有効でも大したこと無いじゃん」的な、ご意見があるらしいので、ちょっと計算してみた。

まず、前提条件など

LAN Syncが有効になっているDropboxは一体どのぐらいのブロードキャストパケットを送出しているのかを計算してみましょ。
受信側から見た時の挙動としてわかっているのは、次の通り。

  • ほぼ30秒おきに、2個のブロートキャストアドレス宛のUDP/17500に向けて、パケットを出す。
    • 一つは、255.255.255.255 宛
    • もう一つは、Dropboxが動いているホストに割当たっているIPアドレスのブロードキャストアドレス宛(ホストのアドレスが172.16.0.11だったら、172.16.0.255)

コレをベースにDorpboxがLAN Sync有効な状態で動いている1ホストが1日あたりに送出するパケット数を計算してみるとと、次のようになる。

4packets/min × 60min × 24h = 5,760packets/day

実際に飛んできているパケット数も、ほぼこのぐらいになってるし、1ホストの上で複数ユーザがDropbox使っていると、もっと多くパケットが出るのだけど、とりあえずは1ホスト1ユーザで考えて、この計算でいいでしょう。


1日で、5,670packetは多いか?少ないか?

例えば、200台のホストがぶら下がっているLAN上に、1台だけDorpboxが動いているホストがある、と仮定した場合だと、1日あたり5,760個のブロードキャストパケットが発生するわけだけど、これはあくまでDorpboxが「送出した」パケットの数。
実際には同じLAN上にいる他の200台のホストが等しく受信してしまうわけで、Dropboxが動いていないホストからすれば、全く無駄なパケットを受信させられていることになるわけだ。(勿論、ブロードキャストなので、自分自身も受け取るんだけど。)

これが同一組織内の同一LANセグメント内で動いているのであれば、一日6,000個に満たないUDPブロードキャストは少ないと言ってももいいと思うので、

というのは判らんでもない。
まぁ、当然のごとく、Dorpboxが動くホストが増えれば、その台数に比例して、受信させられる側のパケット数は増えていくわけで、場合によっては問題になることはあるかもしれない。

ただ、ここで問題にしているのは「さくらのVPS」というサービスの上でのお話。

「さくらのVPS」であることの問題点

さくらのVPSは、一つのネットワークセグメントに、全く違う契約者のサーバがフラットに接続されているようなイメージ。
ネットマスクも/23だから、理論上は1セグメント上に510台のホスト=510人の全く別の管理者が存在するネットワークに出来るわけで、まずこの点で「同一組織内の同一LANセグメント」とは、全く違う話になってくる。(実際には、物理サーバの構成とかパフォーマンスの問題で、/23のセグメントに収容されるユーザ数は、430ユーザくらいじゃないか?という推測がなされてますが。)

仮に、DorpboxがLAN Sync有効な状態で動作しているホストが20あるところに運悪く割り当てられてしまった、と仮定すると、無駄に受信させられるUDP/17500のブロードキャストパケットは、

5,760packets/day × 20hosts = 115,200packets/day

1パケットサイズ150バイトと仮定すると、

115,200packets/day × 150bytes = 17,280,000bytes/day 

と、1日あたり16Mbyte近くのデータを余分に受信させられるわけですよ。
余計なことやってるユーザのお陰で無駄なリソース消費を強いられているわけだから、とっとと止めて欲しいというのが正直な気持ち…。
そもそも、LAN Syncという機能自体が「同一ネットワークセグメント上に存在するDoropbox同士がLAN内に閉じた通信で同期するため」の仕組みであって、VPSのように「ネットワーク上のホストの管理者は、全員赤の他人」というネットワークの上で使う機能じゃないんだから。

トラックバック(0)

コメントする