消費者から見て、 #JAPANsg は魅力のある通販サイトなのだろうか?

JAPANsg特選ストアが、Yahoo!ショッピング内にできて1週間経過しました。当初見られていた「出品されているはずものが、検索に引っかからない」といったことはすでに解消したようで、探せばちゃんと見つかるようなりましたね。
ただし、Yahoo!ショッピング内での検索に引っかかるということは、モノによっては

〇〇sg限定セットという形で売られているもの以外だと、実は本家サイトのほうが扱い品が多いうえに、sgに並んでいるのと同じものが安かったりする場合があるので、「sgで見つけた→商品名で検索→sgより本家サイトのほうが安い→じゃぁ、そっちで購入」ということが、実際にはかなり起きてるんではないでしょうか。

[From #JAPANsg の参加テナント一覧を作ってみて、なんとなく思ったこと - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

のように、Yahoo!ショッピング内の安いところから買う、みたいなことが起こりやすくなったとも言えるわけです。
もちろん、JAPANsgオリジナルや「オンリーワンのもの」だけで固めた商品構成だったら、Yahoo!ショッピング内での競争や、引用したようなことは起きないとは思うのですが、

実際リスト化してみたところ、生産者という位置づけで参加しているものも含めたテナント数は約370。そのうちWebサイトがあることが確認できたのが、6割近い約220。また、何らかの形で通販をやっているところが120ちょっと、という結果でした。

[From #JAPANsg の参加テナント一覧を作ってみて、なんとなく思ったこと - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

というのが判っちゃってますしねぇ。


〇〇sg、JAPANsg特選ストア、それ以外のサイトで価格比較してみると…。

実際に比較して見るには、地域sg、JAPANsg特選ストア、あと何処か別の通販サイトで扱っているものがあればいいわけですが、鞍手sgで扱っている「野上さん家の炭火焼」がその条件に合うので、それを代引きで注文、東京までの送料含めていくらになるか、計算してみました。
まずは、1個だけ注文した場合。

ショップ名単価送料合計
鞍手sg6959661,651
JAPANsg特選ストア1,6191,619
野上生産農場(楽天市場内)380960+310+3001,950

楽天から買うのが、送料と手数料(クール便代310円と代引き手数料300円)のお陰で、一番高くなってしまいました。
そもそもの単価が安いものなので、1個だけというのもなぁ、というとでまとめて買う事が多いと思うんですよね。(よほど大量に買わなければ、送料が大きく変わることはないですからね。)
ということで、3個まとめて買った時どうなるか、とやってみたのが下の表。

ショップ名単価単価×3送料合計
鞍手sg6952,0859663,051
JAPANsg特選ストア1,6194,8574,857
野上生産農場(楽天市場内)3801,140960+310+3002,710

1個の時とは逆に、今度は楽天から買うのが一番安くなるという結果に。
さらに楽天だと10個セットが用意されていて、そちらはクール便代サービスで3,500円という値付け。送料と代引き手数料加えても4,760円なので、JAPANsg特選ストアで3個頼むよりも安く済んでしまうという…。
鞍手sgでの単価は、クール便代を含んだもののようですし、JAPANsg特選ストアだと送料込み。なんで、1パックごとの出品ではなく、複数個セット(3パックセットとか)という形での出品して価格を安く抑えるとか、クール便代などの手数料を明示的に分離した値付けにするといったことをしなかったんでしょうかね?
#そこに「JAPANsgのノウハウ」って、やつがあるんですか?

「同じものなら、安く買いたい」という心理が働くのがふつーなわけですから、1個だけ買うならまだしも、複数個の注文となった時には、地域sgやJAPANsg特選ストアでの価格では、競争のスタートラインにすら立ててない状態のものも多いんではないでしょうかねぇ。(出品されたもの全てをチェックしたわけではないですが、そもそもの単価の安いものは、その傾向が強くなるでしょう。)

JAPANsg 本体に限っていえば、

  • 地域sgは個々に独立しているため、同じような商品(例えば、お米とかイノシシ肉)の横断検索や比較ができない。
  • 同じ地域sg内で出品者の異なる別の商品を同時注文しても、商品ごとに送料がかかる場合がある。
  • カートのページから注文手続きを続けようとしたり、商品ページの「すぐに注文する」の部分をクリックしたりすると、なんの説明も無しに xxxx.japan-sg.jp のサイトから makeshop.jp というネットショップのASPサービスのサイトに転送され、そこで注文者の個人情報の入力を求められる。
    • 利用者によっては「得体のしれないサイトに転送された。個人情報を入力するのはコワイ。」となる可能性がある。(要は、注文を完了させずに終わってしまうこともあるのではないかと…)
    • JAPANsgの個人情報保護ポリシーには「個人情報を第三者への開示は致しません」と書いてあるけど、実際の個人情報やカード番号を、makeshop.jp のサーバ上にあるフォームで入力する必要があることについて、一切の説明がない。

といった状況。
各地域sgを見れば、「おぉ、コレは…」という商品もあるにはあるのですが、価格面や個人情報の扱いの不明瞭さを考えると、積極的に「JAPANsgで買おう」という気にはならない人が多いのではないか、というのが正直なところです。

「次は流通革命起こします!」と意気込んでいる人は居ますが、消費者が安心して買えるような形にならない限り、通販サイトとしては競争の波に飲み込まれて、淘汰されてしまうと思いますが…。
Yahoo!以外のショッピングサイトも、虎視眈々と「自治体主導のネット通販」を狙っているでしょうしね。

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