海老名市立図書館での著作権侵害は他にもあるのでは?というお話

何かと話題の海老名市立図書館、年始に開催予定のイベントのアナウンスに使った画像と紹介文の両方が、著作権侵害しているという、なんともお粗末な状況が発覚しましたね。

お話によると、問題が発覚した際に事実確認として法務に連絡を取ったところ、実際に他者様の画像を許可なく使用していたことが判明。関係者に対してお詫びをするための連絡をしているそうです。

[From 「TSUTAYA図書館」が著作権侵害で炎上? 海老名市立図書館のホームページに問題(追記あり)(篠原修司) - 個人 - Yahoo!ニュース]

この担当者は「(著作権への)認識が甘かった。こんなことになるとは思わなかった」と話しているという。図書館側は「ご迷惑をかけ申し訳ない。社員教育を徹底して、再発防止に努めたい」としている。

[From 公式HPで無断転用 神奈川・海老名の「ツタヤ図書館」:朝日新聞デジタル]

臭いものに蓋的なページの削除の実施と、お詫びページ公開という形で自体の終息が図られているわけですが、その炎上のさなかに流れたのが以下の tweet 。

確かに、検索してみるとそういう結果が出てきます。


愛のひだりがわの検索結果画面

書名と全く無関係な画像(更に言えば、公共図書館で使われるにはふさわしくない)が表示されるという状態なわけですが、なんでこうなっているかというと、理由は簡単。

ネタ元にしている Google ブックスの書影が、そうなっているから。

Googleブックスでの愛のひだりがわの検索結果

これは、図書館の方の検索結果画面をブラウザの開発者ツールや Web インスペクタで確認してみても、books.google.com からデータを取得してきていることが、はっきりと判ります。

Webインスペクタで確認

他にも源氏物語が違う出版社の書影になっている、というのもあるそうですが、これも確認したトコロでは Google ブックス側の書影がそうなっているためでしたので、海老名市立図書館の蔵書と検索システム上で表示される書影が食い違っているものは、他にもあるんじゃないでしょうか?
ちなみに、Google ブックスから書影データが取得出来ないものについては、システム的に "NO IMAGE" の画像を表示するように作りこんでいるようです。

まぁ、マッシュアップ的手法で検索結果画面作ってるんだね、と思えば問題はなさそうなのだけど、そうは問屋が卸さないのが、今回のお話。

この主張は、有効なの?

さて、これのどこが問題かというと、敢えて引用した以下の「著作権について」の部分。

著作権について
本サイトに掲載されている情報(文章・ロゴ・商標・映像・写真・イラスト等を含むがそれらに限らない)の著作権その他の知的財産権は、特段の記載がない限り海老名市または指定管理者が保有しております。
「私的使用のための複製」や「引用」など著作権法上認められた場合を除き、無断で複製・転用することはできません。

[From サイトポリシー | 海老名市立図書館]

Webサイトに掲載されているもの全てが「海老名市または指定管理者」と主張しているわけですけど、検索結果画面で利用している Google ブックスが提供している書影データって、著作権者は Google になるんじゃないでしょうか?
「特段の記載がない」状態ですから、サイトポリシーの通りであれば「海老名市または指定管理者が保有」する著作物と主張していることになるように思われますが…。

Goole ブックス側の書影の利用に対しする規約など、調べてみているのですが、はっきりとした情報が出てきていないのが現状。とは言え、他者が「俺のものだ」と主張することに対しては、 Google だって黙って見ていることはしないと思うのですけどね…。(単に現状は、お目こぼし状態なだけで。)

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