オービタル・クラウドの世界は、手の届く現実になるのか?

たまたま見かけた tweet に気になるキーワードがあったので、そこに貼られていたリンク先を読んでみたんですが。

JAXAはデブリ除去に向けてとあるプロジェクトを進めています。その技術の実証実験が今回こうのとり6号機で行われる「KITE(カイト)」(正式名称:HTV搭載導電性テザー実証実験)です。このプロジェクト自体は、大まかに言うと飛んでいるデブリに電気が流れるひも(導電性テザー)を取り付けてブレーキとなる力を発生させ、徐々にスピードと高度を落として最後は大気圏突入で燃やしてしまおうというもの。今回のKITEは、そのテザーの放出から力を発生させるまでの一連の流れを実証するものです。そしてこのブレーキとなる力を「ローレンツ力」と言うのですが、この力を発生させるために使う道具は実はとても少ないのです。

[From 「宇宙ゴミ」を減らして未来を救え!こうのとり6号機、画期的な技術を実証へ | sorae.jp : 宇宙(そら)へのポータルサイト]

読み進めてて、「あ、これオービタル・クラウドのネタになってたやつだ!」って。
この、こうのとり6号の実験の話なんて、まったく知らずに居たのだけど、たまたま読み直していたタイミングだったこともあって、なんかひとりでニマニマしてしまったり…。


さて、オービタル・クラウド、物語はデブリとなって地球の周回軌道を回るロケットの残骸で謎の挙動が観測されたことをキッカケに始まる、宇宙を巡る陰謀とそれを阻止しようとする「プロフェッショナル」達の活躍を描くものなわけですが、SF としても楽しめるのは当然として、スパイもの的な読み方も出来るし、ある一面ではサイバーものっぽいところもあったりと、読む人によって色々と楽しめるポイントが違うと思うので、ぜひ読んでみていただきたいと思うわけです。

今回のこうのとり6号を使ったミッションは、「減速」のほうの実証実験ですけど、逆に推進力として導電性テザーを利用する研究も進められているようですから、ホントにオービタル・クラウドに出てくるような宇宙機が、近い将来実現したりするのかもしれないな、と思うとなんかワクワクしますね。
しかも、自分の生きている間に実現する可能性もあったりするわけですから。

導電性テザーの概要については、JAXA のほうに解説ページがあるので、興味のある方は、そちらにも目を通しておくと良いかも。

テザーとは「ひも」のことです。宇宙機から伸展された導電性のテザーには、地磁場を横切って地球の周りを周回することにより誘導起電力が生じます。そこで、テザーの両端で地球周りのプラズマと電子をやり取りさえさせてやれば、回路が構成されテザーに電流が流れます。テザーに電流が流れると、地磁場との干渉でテザーにローレンツ力が発生します。(図1)

[From 導電性テザー(EDT):研究開発部門]

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