#自治体特選ストア は、泥船化してないだろうか?

宮崎県日南市が仮オープンしたと思ったら、今度は福岡県鞍手町も「引くか?進むか?」の瀬戸際にいるという話が出て来ています。

徳島真次町長が大々的に記者会見して始めた肝煎り事業だが、運営委託業者に月15万円の運用費を支払う一方、これまでの売り上げは19万3645円(14年11月末現在)で、現在でも20万円程度。10月には静岡県三島市が脱退しており、同町も「継続するか、新たな産業支援を始めるか、熟考中」としている。

[From 鞍手町:ネット販売に苦戦 月15万円の運用費で加入1年 総売り上げは20万円 町「継続」か「新たな支援」か熟考中 /福岡 - 毎日新聞]

記事にもある通り脱退済みの静岡県三島市、今の時点では新聞などで報じられていないけど、今月一杯で脱退することを公式に発表した岐阜県関市に続く三例目となるか、鞍手町の判断に注目せざるを得ないわけですが、

一方、「サイト開設後、町と業者が一体となって町の振興を考える構造ができた」とプラス面も自認する。

[From 鞍手町:ネット販売に苦戦 月15万円の運用費で加入1年 総売り上げは20万円 町「継続」か「新たな支援」か熟考中 /福岡 - 毎日新聞]

こういう面が浮き彫りになったのであれば、次にうまく活かして欲しいトコロ。(とは言え、高い授業料になったことは、間違いないですね。)


以下に引用する tweet のように、自前かつ地元の生産者や企業と一緒にネット通販を継続する、という方法はあるわけですね。

それこそ、自治体特選ストアがプラットフォームとして利用している Yahoo!ショッピングを使って「鞍手町公式ショップ」のような名称で沢山の商品を並べることも出来るわけです。
自治体特選ストアという仕組みに払う分の予算は、商品写真の撮影や、町としての統一デザインの梱包用部材の調達、出品者独自のサイト作成支援のような、出品者を直接的に支援するような施策に使えばよいのではないでしょうかねぇ。

さて、郡山市でも

自治体特選ストアの中でも、自分的には郡山市を重点的にチェックしてきたわけですが、その郡山市でも12月定例議会で一般質問の項目として挙がっていたそうなので、その際の議会中継の録画を見てみました。(12 月 5 日に川前光徳議員の質問項目「新規事業のその後について」の中の一つとして質問が行われています。)
質問側も、答弁側も全体の時間から見れば微々たる割合の時間しか割かれていませんでしたが、ざっとチェックして、気になったのは

  • 2014 年 3 月末の開設以来の総売上げ 26 万円。
  • 従来アクセス数 3 万件であったが、10月からは 5100 万件の Yahoo!ショッピングに移行した。
  • 市民に向けての浸透を図る。

といったところでしょうか。正確な数字は、議事録の公開後に数字に修正なり、新たなエントリーを起こすなりしますけど、8 か月ちょっとの期間で 26 万円しか売上がないというのは、正直「税金の使い方間違ってね?」としか思えない…。

そういえば、郡山市が自治体特選ストア(参加の時点では JAPANsg )に参加した最大の目的は「福島原発事故による風評被害の払拭」であったはず。この点については、過去に情報公開請求をした結果で得られた文書内にはっきりと書かれていたんですけどね。(参照:25郡ま政第68号_ネット通販及び首都圏でのPRイベントの検討に係る庁内連絡会議について(依頼).pdf の 12 ページ目、14 ページ目)

「風評被害の払拭」を目指すのであれば、払拭につなげるための情報提供ページをストア内に準備する、そのための専用ページやサイトに誘導すると言った努力をすべきところだろ思うのですが、現状の自治体特選ストア内には、そういった形跡を一切見ることが出来ません。(この点は以前にも、指摘していますけどね。)

福島県産米の全量全袋検査は継続して行われてきていますし、全量全袋が対象ですから、自治体特選ストア郡山で扱っているブランド米「あさか舞」も、その検査対象となっているはずですね。郡山市自身も、市内産農産物に対する検査を行い、結果を公表しているわけですから、情報が提供出来ないわけではないはずですが…。

「当初の開設の目的が果たせているのか?果たせているとして、その成果が上がっているのか?」といった観点から、川前議員には質問をしてもらいたかったなぁ、と思います。
可能なら「郡山市内にはネット通販サイトを運営実績の有る企業が複数存在しているにもかかわらず、何故武雄市発案の仕組みに対して随意契約で参加しているのか?」という点もツッコんで欲しいですけどね。

そして、かつてのドメイン名は…

自治体特選ストアの前身であった「FB良品」。(「F&B良品」とも言われる場合が。)
その際に使用していたドメイン名が、去年12月に所有者が変わったようです。Webサイトもその新たな所有者が作成したと思われるものが表示されるようになっていると、 Twetter 上で話題になっておりました。

nexus01:~# whois fb-ryohin.jp
[ JPRS database provides information on network administration. Its use is    ]
[ restricted to network administration purposes. For further information,     ]
[ use 'whois -h whois.jprs.jp help'. To suppress Japanese output, add'/e'     ]
[ at the end of command, e.g. 'whois -h whois.jprs.jp xxx/e'.                 ]
[                                                                             ]
[ Notice -------------------------------------------------------------------- ]
[ JPRS will change JPRS WHOIS (web-based and port 43 Whois service) about the ]
[ following two points on January 18, 2015.                                   ]
[                                                                             ]
[  1) Change of the format of response about gTLD domain name                 ]
[  2) Change of the character encoding                                        ]
[                                                                             ]
[ For further information, please see the following webpage.                  ]
[ http://jprs.jp/whatsnew/notice/2014/20140319-whois.html (only in Japanese)  ]
[ --------------------------------------------------------------------------- ]
Domain Information: [ドメイン情報]
[Domain Name]                   FB-RYOHIN.JP
[登録者名]                      fb-ryohin.jp
[Registrant]                    fb-ryohin.jp
[Name Server]                   ns1.xserver.jp
[Name Server]                   ns2.xserver.jp
[Name Server]                   ns3.xserver.jp
[Name Server]                   ns4.xserver.jp
[Name Server]                   ns5.xserver.jp
[Signing Key]
[登録年月日]                    2014/12/01
[有効期限]                      2015/12/31
[状態]                          Active
[最終更新]                      2014/12/02 14:23:40 (JST)
Contact Information: [公開連絡窓口]
[名前]                          fb-ryohin.jp
[Name]                          fb-ryohin.jp
[Email]                         mail@fb-ryohin.jp
[Web Page]
[郵便番号]
[住所]
[Postal Address]
[電話番号]                      014-010-047
[FAX番号]

新しいドメイン所有者が「善意の第三者」とは限らない訳で、

一見、問題ないようなサイトに見えて「実はマルウェア配布サイトになってました」なんてことになると、目も当てられないわけですが…。
実際に自治体特選ストアに参加している自治体の Web サイトのメンテが出来ていなくて、FB良品自体の URL のままというところもあるようですので、後々面倒なことにならないように、とっとと直してしまったほうが良いと思いますが、はてさて…。

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