Debian GNU/Linuxをインストールしてみる:準備編(2)

インストール用のCD-ROMが出来たところで、今回インストール対象となるPCや、ネットワークの構成などについて。

どんなPCにインストールする?

先にも書いたとおり、Celeron600MHzを積んだIBMのAptivaで2197-49Nというモデル。
#IBMのサイトでも詳細な仕様が載ってない・・・。

もともとは、Windows Meが動いていたと思われるもので、数年前に中古で手に入れたもの。自宅でInternetサーバを運営してみたいという用途でも、極端にアクセスの多くなるような事がなければ、何年か落ちの中古PCでもなんとかなったりします。事実、僕のところでは、Celeron300AMHzが載ったi810チップセットのマシンが、まだ現役でInternet用サーバとして稼働しています。

で、このPC、メインメモリをグラフィックメモリと共有するタイプで、128MBしか載せていない状態ではX Windowを動かしてOpenOfficeを使う、という用途にはスペック的に無理。なので基本的にはサーバとして使う事を念頭に話しを進めていこうと思っているけど、一口にサーバといっても色々あるので、いろんな用途に転用しやすいように、最低限必要なパッケージだけインストールした状態にすることを第一目標にします。
基本的なインストールが終わってしまえば、あとは必要なパッケージを追加していけばいいし、そういった部分は個別に扱っていきたいと思います。

バリバリにX Window使いたいとか、本当に大容量のファイルサーバを組みたいということであれば、それに見合うスペックのマシンが必要だし、そのあたりの細かい話しは、別の機会、ということで。


ところで、ネットワークは?

ネットワーク図

さて、インストールするにあたって、どのようなネットワークの中に置いて使うのかを、想定してみよう。

とりあえず、うちのネットワークを説明しておくと、簡単に書くと左図のような構成。
回線は、Bフレッツ。ルータがあって、その下にサーバが2台。プロバイダとは、IPアドレス8個固定の契約をしているので、ルータと各サーバにはグローバルIPアドレスを割り当ててあります。で、サーバAにはネットワークインタフェースが2つあって、片方はプライベートネットワークに接続。IPマスカレードが設定してあるので、プライベート側にぶら下がっているクライアントが外にアクセスする場合には、サーバAを経由してアクセスすることになります。

これから進めてゆくインストール作業は、プライベートネットワーク上に対象となるPCを設置して行うことになります。うちのネットワーク構成図の中のルータとサーバAの部分を「1台のブロードバンドルータ」とイメージして貰えると、話がわかりやすくなると思います。

ディスクのパーティションは?

次に、パーティションをどうするのか。
このあたりは、サーバを上げる人の好みもあったりするようで、「これっ!」といった目安になるものがありません。人から聞いた話とか自分の経験から行くと、こんなところに注意すれば、あとあと何かあったときに困らないかな、と思うことを列挙してみます。

  • 小容量のパーティションを細かく切るより、大きめにおおざっぱに。
    何かの設定を誤ったばっかりにログが大量に生成されて/varパーティションが使用率100%になってサービスが止まったとか、その影響を食らってメールが受け取れないとか、新しくソフトを追加しようとしたら/usrパーティションが使用率100%でインストールが不完全で終わっちゃうとか、時々聞く話なので。
  • /homeは、独立パーティションで。
    通常ユーザのホームディレクトリは/homeの下に作られるので、どうしても再インストールしなくちゃいけない状況に陥ったときに、最悪ユーザデータのバックアップを行わなくても再インストールが行える。

とはいえ、500GBのHDDが1万円代前半で手に入るご時世ですから、ちまちまパーティションで悩む必要はないかも知れません。
今回のインストール対象には120GBのHDDが積んであるので、こんな感じで行きましょう。

  • ルートパーティションに20GB
  • swapに1GB
  • /varに20GB
  • /homeに残りすべて

基本的には「自宅内でファイルサーバとして使う」というのを想定してインストールするのでこんな感じで良いと思います。
これが、「100人規模でのメールサーバ(SMTP+POP)」であれば、メールのためのスプールとなる/varを大きくしたり、/varと/var/spoolを分割したりするようにすることを考えた方が良くなりますし、「20人規模のオフィス内ファイルサーバ」であれば、ファイル共有を行う為の領域を大きく確保する必要が出てきますので、用途に合わせて考えていく必要があるわけです。

参考までに、上の図のサーバAには2台のHDDを載せてあって、パーティションは下のようになっています。
用途としては、httpd、smtpd、imapdなどが動くいわゆる普通のインターネットサーバ。

  • /dev/sda1 ← 250GBのSATA
    • /bootパーティション:100MB
    • ルートパーティション:2GB
    • swapパーティション:2GB
    • /usrパーティション:10GB
    • /varパーティション:15GB
    • /optパーティション:40GB
    • /mnt/backupパーティション:残り全部
  • /dev/hda1 ← 30GBのATA
    • /homeパーティション:丸々全部

パーティションの割り当てを決めたら、いよいよ実際のインストールに進みます。

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