個人所有タブレット PC を #佐賀県 が好き勝手に管理出来るものなの?

佐賀県立高校でのタブレット PC の件ですが、動きがあったようですね。教材のインストールのほうは、前に書いたとおり人海戦術を取るようですが、それとは別にリモート操作で新たなソフトがインストールされたという話が、以前から紹介しているブログのコメント欄に…。

インストールやカスタマイズが厳しく制限されていいるます。さらに、5月22日にモバイルデバイスの管理用ソフト「Optimal Biz for Mobile」が導入されたと発表されましたが、知らないうちに操作してインストールされているみたいです。これは、生徒も先生も知らないと思います。こんなことがまかり通るんですね。びっくりしました。

[From 思った以上に大きな反響があって驚いています - 佐賀県ICT利活用教育の現場報告 - Yahoo!ブログ]

リモート操作でソフトやデータを配布する機能自体は、 SKYMENU でも持っているようなので、今回はそっちでやったのではないかと思うのですが、インストールされたソフトのほうが法律的な面からみると扱いの難しいもののようなのですな。

そこで、オプティムが保有する特許技術である「Zone Management」が注目・採用され、先生方の負荷低減が実現しました。「Zone Management」とは、場所(ゾーン)などの判別情報をもとにあらかじめ設定されている端末の設定を自動的に切り替えるオプティム独自の技術です。「Zone Management」を搭載している「Optimal Biz for Mobile」を利用することにより、学校と自宅という異なる場所(ゾーン)を判別し、学校にいる間は端末に対して学校のネットワーク設定(スクールモード)を適用します。適用された設定を生徒が変更しようとした際にも、学校内にいる間は「Optimal Biz for Mobile」が自動的に端末の設定をスクールモードに再設定するため、私物のネットワーク端末(スマートフォンによるテザリングやモバイルルーターの使用など)を利用しての意図しないインターネット使用の抑制が可能となります。また、生徒が学校外で端末を利用した際には「Optimal Biz for Mobile」が自動的にスクールモードの設定を解除するため(プライベートモード)、自由に端末の利用が可能になります。

[From 「Optimal Biz for Mobile」が佐賀県全県立高校の新入学生、 約6,800人が使用する全ての学習用タブレット端末に標準搭載!]

Optimal Biz for Mobile という製品は、モバイル機器を一定のポリシーに基づき一括管理(アプリの配布・更新・削除や、移動履歴の取得・表示、緊急時の遠隔ロックの実行など)を行うための Mobile Device Management 用のシステムなのだそうで。

一般的にMobile Device Managementの機能として、端末情報のバックアップ・リストア、資料の配布、紛失時の遠隔ロック、移動履歴の表示、アプリケーションの配布・更新・削除・起動ブロック、ユーザによるインストール不可能化などが挙げられる。

[From Mobile Device Management - Wikipedia]

このソフト、管理したい側である県教委からすれば正当な理由があってインストールすることを決めたのでしょうけど、インストールの対象となったタブレット PC は県の所有物ではなく、生徒もしくはその保護者が所有しているもの。
企業が従業員に支給するモバイル機器であっても、この類のソフトウェアをインストールする(している)場合には、その目的を告知しておかなければ不正指令電磁的記録供用罪に該当するという見解が、法務省から出ているわけで、今回のように「所有権は、生徒またはその保護者」という機器に対して「無断で」インストールした事は、不正指令電磁的記録供用罪に該当する可能性が更に高くなったのではないかと思われるのです。

県教委からすれば、「タブレット PC の管理の上で必要になるため」という主張になるのでしょうけど、インストールすることによって発生する法的リスクの検討なんてやってないんではなかろうか?(ふつー、ソフトインストールしただけで、刑法犯になる可能性があるなんて思わないわな。)

実際に運用し始めたとしても、取得した行動履歴の取り扱いとか、かなり難しいと思うのですよ。誰に見せて誰に見せないって、ちゃんと検討しないといけないことでしょうし、そこまで考えての導入なのかどうか、今までの県教委の対応とかを見ている限りは怪しいと言わざるを得ませんし…。
#SKYMENU も Optimal Biz for Mobile も機能面では被ってる部分が多いのだけど、そもそも二種類も入れておく必要あるのか、という点も疑問。

たぶんね~、事前説明は出来てねーんじゃないかと思う。その辺は、情報公開請求使えば、資料を出させることは出来るだろうと思うんだよね。
タブレット PC 自身の Administrator 権限は県教委が持つというのも説明されてないだろうし…。そんなわけで、生徒やその保護者が「これは勉強に使える」と思ったソフトを自由に入れることすら出来ないわけで、そういったことも事前説明されてしかるべき内容だと思うのですけど、さて実態はどうなっていることやら。

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