自治体特選ストア 価格設定の謎 #自治体通販

"satisfaction guaranteed" というブランド名を封じられたために、自治体特選ストアとなった武雄市発の通販サイト。
周囲の期待を裏切り、3 度めとなるリニューアルは、さしたるトラブルもなく終わったようです。ま、移行以外の部分で色々と問題はあるような話はチラホラとあるようですが、それはそれとしてそのうち表面化してるくのかもしれません…。

さて、今回は以前にも取り上げている価格設定のお話。

「同じものなら、安く買いたい」という心理が働くのがふつーなわけですから、1個だけ買うならまだしも、複数個の注文となった時には、地域sgやJAPANsg特選ストアでの価格では、競争のスタートラインにすら立ててない状態のものも多いんではないでしょうかねぇ。(出品されたもの全てをチェックしたわけではないですが、そもそもの単価の安いものは、その傾向が強くなるでしょう。)

[From 消費者から見て、 #JAPANsg は魅力のある通販サイトなのだろうか? - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

移転先が Yahoo! ショッピング内となったことで、より競争の激しいところに、否応なしに放り込まれたわけですけど、そういう競争の激しいトコロで生き残っていくためには、何らかのアドバンテージが必要であると思うのです。が、自治体特選ストアに関していえば、そういったことは考慮されていないような強気の価格設定になっているわけでして…。

強気になっている価格設定の例ですが、出品者自体が自前で通販しているもので見ると判りやすいなぁ、ということで「自治体特選ストア 宇多津」で扱われているレアシュガースウィートという商品で確認してみます。

出品者自前の通販での価格。

希少糖レアシュガースウィート公式通販サイトマツタニ健康応援ショップ

出品者=製造者なので、ホントの意味で直販ですね。
こちらは、送料全国一律で700円。ただし、5000円以上い買い上げで送料は無料に。お一人様 4 本までの販売制限はあるものの、4 本買うと 5000 円越えるんですね〜。

次、「自治体特選ストア 宇多津」。2本セットになってます。

レアシュガースウィート(希少糖含有シロップ) 2本セット 373860009-0001 自治体特選ストア宇多津 - Yahoo ショッピング - ネットで通販、オンラインショッピング

なんか同じものなのに、ぱっと見だけでも高く感じますよね。
こちら、さらに送料がかかりますが、送料いくらなのか、といった情報は決済画面にまでいかないと判らな作りになってますし、まとめ買いしても送料無料ということはないようです。


なんで、そんな価格設定になってしまっているのか、これは比較的簡単に判ることだったりします。

各自治体で自治体特選ストアへの出品者を募る際の案内に、そのあたりのことが書いてあるので、それを参照してみましょう。最近、自治体等苦戦特選ストアに参加した東彼杵町のWebサイトに載っているのが見やすいので、それを見てみます。

出店者による価格の決定について
 商品の表示価格は出店者によって決めていただきますが、売上価格からクレジットカードまたは代引き手数料が差し引かれますので、手取り額を考慮し決定してください。

[From 東彼杵町-「ひがしそのぎsg」に出品してみませんか?]

なるほど、だから高い値付になっているんですね。

自治体によっては、この出品価格を検討するためのExcelファイルを公開しているところもありますね。例えば郡山市。

出品を希望される方は、所定の応募用紙並びに生産者情報を記入いただき、商品の写真を添えて、品目ごとに担当課へ提出願います。
商品の掲載は、毎月計10品以内の掲載を予定しております(掲載商品数は、毎月累積)。

出品に関係する書類リスト(ワード:36KB)
出品応募様式(エクセル:106KB)

[From 「自治体特選ストア 郡山(旧「郡山sg」)」への出品を希望する皆様へ/郡山市]

出品応募様式というExcelファイルの中に、価格設定用の試算を行うためのシートが用意されていて、簡単に出品価格を検討することが出来るように計算式までセットされているいう親切さ!

価格設定のための試算ツール

あれ、カード手数料って?

ところで、カード手数料って、購入者に負担させるのは、カード会社の加盟店規約などで禁止となっているんじゃなかったかと思うのですが…。自治体が公開している情報に「カード手数料も考慮して」なんてことが堂々と書かれていて大丈夫なのか、気になったので調べてみました。

4.加盟店は、有効なカードで申込みを行った会員に対して、商品の販売代金ならびにサ ービス提供代金について手数料等を上乗せする等現金客と異なる代金の請求をすること、およびカードの円滑な使用を妨げる何らの制限をも加えないものとします。

[From 三井住友VISAカード&三井住友マスターカード加盟店規約(通信販売[含EC]用)]

2. 加盟店は、有効なカードを提示した会員または有効なギフトカードの使用者に対し、信用販売またはギフトカードの取扱いを拒絶したり、 直接現金払いや他社の発行するクレジットカードまたはギフトカードの利用を要求したり、現金客と異なる代金を請求したり、信用販売またはギフトカードの取扱いの金額に本規約に定める以外の制限を設ける等、会員またはギフトカードの使用者に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。

[From JCB加盟店規約]

とりあえず、三井住友 VISA と JCB だけですが、どちらも「現金客と異なる代金を請求すること」は禁止と、はっきり記載されています。
とすると、カード発行会社的には規約違反をしている加盟店ということで厳しいペナルティを課してきても、おかしくない状況になってくるわけです。

その矛先の向く先は、何処…

ところで、自治体特選ストアの場合、カード発行会社からのペナルティは、どこに対して課されるものなのでしょうか?
システムを提供している Yahoo! なのか、ストアの運営者である cotode なのか、はたまたショップの名前になっている自治体なのか…。

いずれにしろ、カード発行会社からしてみれば、自治体のWebページからアクセス出来る情報に「カード決済手数料が差し引かれることを考慮した値付けを」と出品者に指導しているショップが存在することは、看過出来ないものになるでしょう。

自浄作用が働けばよいのですけどね…。

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コメント(1)

鳥取の古本屋 返信

今朝方少々ストアを見つつ検証してみたのですが、この「GTS」のクレジット手数料の件については、
ストア上での現金価格(代引き手数料を抜いた物)と、クレジット購入での金額が同じため、
カード会社の規約に違反する形での転嫁は行われていないと思われます。
東彼杵町のWebサイトに載っている資料からしても、単に値付けの問題でしょう。

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