佐賀県教委 福田副教育長の講演を聞いてきました

今日まで、東京ビッグサイトで開催されていた ITpro EXPO 2014 で佐賀県教委の福田副教育長の講演があるということで、聞いてきました。

佐賀県では、現在、教育の情報化の推進を県政の最重要施策に掲げ、全県で「先進的ICT利活用教育推進事業」に取り組んでいます。特に、今年度、県立高校でも全校で学習用PCを導入しました。本事業では、教職員研修と教育情報システムの導入、機器整備を一体的に進めていますが、その状況と今後について、紹介させていただきます。

[From セミナー詳細 - ITpro EXPO 2014:ITpro]

内容自体は、佐賀県教育委員会の佐賀県:佐賀県ICT利活用教育のコレまでの取り組みのページのからリンクされているプレゼン資料「先進的ICT利活用教育推進事業」の現状と今後の取組方針」(PDF)に沿った形のものでした。

佐賀県教育委員会では、ICT利活用教育は学力向上の有効な手段であり、今後の教育を左右する喫緊の課題と捉え、教育の情報化に取り組んでいます。

[From 佐賀県:これまでの取り組み]

ただし、資料自体は随時手直しされいて、今日の公演で使われたものは "Vol.9" となっていたのと、9/8 のクローズアップ現代で取り上げられたのが 4,5月頃だったため、その後の状況をまとめたムービーが講演の冒頭で流されました。
#どちらも一般公開されることを期待したい。


既に、講演に関する記事も公開されているので、

「(1人1台パソコン導入の)成果は何か、とよく問われるが、成果はまだない。“成果”というには、もう少しきっちりした分析が必要だからだ。ただ、効果は確実に現れている」――。佐賀県教育委員会の福田孝義副教育長は2014年10月17日、2014年10月15日から開催されている展示会「ITpro EXPO 2014」において、同県で進めている教育でのICT(情報通信技術)活用の現状について講演した(写真1)。

[From ニュース - [ITpro EXPO 2014]佐賀県副教育長が語る、1人1台PC導入の効果と課題:ITpro]

そちらを見てもらえば、おおまかな内容はわかりますが、書かれていないけど自分的に気になったことを補足しておきます。(聞いた内容を自分なりに解釈している部分もあるので、表現などは正確ではありません。)

  • 高校向けの学習者用パソコン(タブレット)を BYOD という形で、生徒負担としたことに関して。
    • 高校入学の時点でパソコンを買ってもらっている生徒もおり、高校在学中には大半の生徒がパソコンを買ってもらっていうような状況があった。
    • 個人所有であれば、高校卒業したタイミングでも手元に残り、就職や大学進学しても使うことが出来る。(それを見越したスペックのものを選定している。)
    • 全員が持つこと、それを持ち歩くことで、通学が不可能な状況になっても、Web会議システムのようものを使うことで遠隔授業が可能になる。
  • 高校生については、卒業後のことを見据えて Windows 8 の動作するタブレットを選定したが、特別支援学校については iPad を。また、状況によっては、Android タブレットを利用しているところもある。
  • 平成 27 年度分の機種選定も進めている。(もしくは、これから始める、だったかも。)
  • デジタル教科書のライセンスは、教師本人分+その教員の担当するクラスの人数分を、教師に対して付与する形になっている。3 クラス 120 人を担当しているのであれば、教師本人分: 1 + 担当生徒分: 120 の計 121 ライセンスが付与されるので、あとは教師の裁量でデジタル教科書の配布・利用が出来る。
  • 生徒の過失でなければ、学習者用パソコンについてのトラブルは、破損、水濡れなども含めて、無償対応する体制を取っている。
    • 自転車通学の生徒も多いことを勘案しての対応。
    • 兄弟喧嘩でタブレット投げつけて破損、という事例があった(らしい)が、さすがにコレは…。
  • ICT 対応に関しては、教員に対する教育、支援にも力を入れていて小中高の各学校に必ず 1 名の ICT 推進のためのリーダーを選出してもらうよう学校長に依頼している。
    • 県教委は、リーダーに対する研修を実施、リーダーが各学校に戻って教師に対する研修を行うような体制を敷いている。
    • リーダーからの要請があれば、県教委自体が、内容によっては外部講師を招いての研修など、学校を支援する体制もある。
  • 去年(?)の教員採用の二次試験から模擬授業の際に電子黒板の使用を必須事項に。

あと、最近決定した総務省、文部科学省協同の先導的教育システム実証/教育体制構築事業についても、ちょっとだけ言及があり、この際に SMILE 授業を行っている武雄市とも協力していくということに触れていました。(この話とは違う流れで、「めしの食えない」というキーワードが出てきたので、一瞬「うわぁぁ、なんか毒されてね?」と思ったり…。)

満席な上に立ち見がずらっといるような状況でしたから、かなり関心は高いのでしょうね、佐賀県の事例は。
個人的には、まだ知りたいことも多いので、情報公開請求を使って、これからも掘り下げていきたいと思います。(特に、 BYOD と県側で用意したソフトウェアの扱いに関連する部分が中心になると思いますが。)

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