内容の怪しいメールは、相変わらず送られてくるわけですが、 rspamd を使っているおかげで 40 〜 50 通/日程度のスパムメールがブロックされているので、目にすることは少ないのですけど、それでもすり抜けてくるものが、ちらほら。
すり抜けてきたもので、明らかに「フィッシングだよな〜」というやつに関しては、フィッシング対策協議会の情報提供窓口に転送をしているわけですが、
フィッシング対策協議会では、フィッシングサイトに関する情報提供の窓口も準備していますので、怪しいメールを受け取ったら情報提供をするのも良いかもしれません。
[From フィッシングサイトへの誘導メールが届いた - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]
その転送メールが、今度は rspamd でブロックされてしまって、情報提供できないことが過去に何度も起きてたんですよね。
すり抜けてきたタイミングでは、 rspamd がスパムとして判定するスコアの閾値を超えていなかったのに、フィッシング対策協議会へ転送しようとしたタイミングで閾値を超えるスコアになってしまう、ということが原因であるんですが、これだと情報提供できず都合が悪いということで、なんとかしたいなと思っていたわけです。
要するに、特定の条件において「 postfix で milter サービスである rspamd を使わないよう設定」するか、「 rspamd 側の設定で回避」するか、ということなわけですが、 rspamd の設定ではどうにも上手くやる方法が見つからなかったので、 postfix の設定でなんとかできないかと調べてみたところ、思った通りのパラメータを見つけた。
The smtpd_milter_maps feature supports different Milter settings for different client IP addresses. Lookup results override the the global smtpd_milters setting, and have the same syntax. For example, to disable Milter settings for local address ranges:
[From Postfix before-queue Milter support]
この smtpd_milter_maps を使えば、特定クライアントやネットワークからの SMTP 接続であった場合に、 milter サービスへの転送をスキップさせることができる、と。
Postfix 3.2 からで追加されたパラメータなので、その点は注意が必要です。
さて、設定のほうですが、 milter サービスを使わないようにしたいクライアントの IP アドレスやネットワークを記述したファイル（ここでは、 /etc/postfix/smtpd_milter_maps ）を以下のような cidr_table 形式で作成。
nexus01:~# more /etc/postfix/smtpd_milter_maps
# Local Host
127.0.0.1 DISABLE
::1 DISABLE
# Local Network : ipv4
172.16.0.0/16 DISABLE
# Global & local Network : ipv6
2001:470:24:94::/64 DISABLE
# Global Network : ipv4
218.219.149.232/29 DISABLE
# Global Network : Sakura's VPS
153.127.6.123 DISABLE
2401:2500:204:1101:153:127:6:123 DISABLE
このように、自分の管理下にあるサーバや PC 、ネットワークを記述しておけば、それに合致するクライアントからの SMTP 接続だった場合には rspamd によるスパムチェックを行わないように出来るというわけです。もちろん、ここに記述してあるものからスパムやウィルス拡散メールを発信しないよう、個々には対策しておくことが前提とはなりますけどね。
まぁ、実際には、もっと レンジを絞るとか、特定のクライアントだけ決め打ちで書く、ということにすればよいかと思います。
あとは作成した smtpd_milter_maps を読み込ませるために、/etc/postfix/main.cf に以下の 1 行を追記して、 postfix を再起動すれば設定完了。
smtpd_milter_maps = cidr:/etc/postfix/smtpd_milter_maps
設定ができたら、実際にブロックされてしまうメールを送信してみて、問題なく送信できれば OK となります。
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