#武雄市 視察関連で開示された資料をチェックしてみました #文京区

さて、開示文書の多くは旅費に関するものではあったわけですが、武雄市側からの資料も開示されたので、とりあえずは目的を果たしたわけですけど、武雄市作成の資料を見ていて思ったのは、「この資料の内容を説明されたとして、何か得るものってあったのだろうか?」という点。

まぁ、大半は視察に伴う旅費支給関連だったりするわけですが、武雄市側からの説明資料については、内容をよく読んで重点的にチェックする必要はありそうですね。なので、別エントリーでいろいろと書いてみたいと思います。

[From #武雄市 視察の件、情報公開請求してみました #文京区 - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

そんなわけで資料にツッコミ入れ用途思っても、突っ込みどころがなくて、実は頭を抱えていたわけです。

今回の視察目的

視察の目的については、26文議第97号 総務区民委員会視察決定の8 ページ目にあるように

(2) 佐賀県武雄市「フェイスブック及びオープンデータを活用した情報発信・共有に関する調査・研究」
武雄市は、平成23 年に全国に先駆けて、市のホームベージをフェイスブックに一元化し、行政の「見える化」や市民との双方向のコミュニケーションの醸成を積極的に推進している。
市の職員全員がフェイスブックのアカワントを取得し、迅速な行攻情報の提供や問合せへの対応が可能となるなど、フェイスブックの大きなメリットである即時性、公開性、双方向性を有効活用した事例として、全国的に注目を浴びている。
また、市は25 年4 月に千葉市・奈良市・福岡市と共同で「ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会J を設立し、全庁的なオープンデータの公開、地図を活用した防災・安全対策等のオープンデータの公開やポータルサイトの構築等、オープンデータ活用の様々な方策に先進的に取り組んでおり、行政の更なる「見える化」を目指している。

[From 26文議第97号 総務区民委員会視察決定]

ということだったようです。

「市のホームベージをフェイスブックに一元化し」という点は、city.takeo.lg.jp ドメインで運営しているWebサイトの情報を、Facebook 側に iframe で表示しているだけですので、武雄市側がしきりに宣伝するように完全な一元化は出来てい無いのが実情ではないかと。

行政のWebサイトは、どちらかと言nexus01.downtown.jp/owncloudうとストックを目的とした部分が多いわけですから、Facebook のように常に最新のものが上位に来て、過去の情報は流れていってしまうような仕組みは、行政の仕事の進め方とは合わない部分があるのではないかと思うのです。Facebook で過去の情報を探そうとすると一苦労ですから、何かの補助の申込情報といったものを Facebook だけで告知された日にゃ、色々とトラブルが発生するのではないかと。
Facebook の特性をうまく利用するのであれば、現行 Web サイトとの役割の分担を明確にした上で利用する、ということが必要でしょう。

武雄市の場合は、あえてそうしていると思われるフシもあったりするので、見習うのはちょっとどうかと…。
例えば、日本書籍出版協会の「武雄市図書館に関する質問書」に対する回答は、Facebook ページでは見ることが出来ますが、 takeo.lg.jp のサイト内では見ることが出来ません。( www.city.takeo.lg.jp のサイト内検索では引っかからないは確認済み。)
公開されているデータの形式も GIF 形式ということで、検索にも引っかかりにくいようにしたいとしか思えない形式なのも、いかがなものかと思うわけです。

#文京区の Web サイト自体、情報が探しやすいか、というとあまり探しやすいとは思えなかったりしますが…。


武雄市作成資料をチェック

武雄市作成の「フェイスブックを使った情報発信」という文書からチェックしてみましょう。

③フェイスブックの採用
 ・コミュニケーションの活性化⇒お褒め、苦情、意見、提案
 ・情報提供の機動力を高める⇒誰でもできる。
   平成24 年4 月から全職員アカウント取得
   ⇒市民等からのコメントへの即時対応など市民生活向上と業務の効率化
 ・低コストでSNS を導入できる。(フェイスブックは無料で利用できる)

[From 武雄市作成:フェイスブックを使った情報発信.pdf]

「コミュニケーションの活性化」とありますが、見ているかぎりでは、武雄市民以外からのコメントが多いようですし、行政側からのコメントも余り見ることはないので、果たして活性化しているのか、という点は疑問ですね。

自分も Google マップの使い方が利用規約違反ではないか、ということをコメントとして書いていますが、それに対して武雄市側からはなんのアクションもありませんでしたし。

Google マップの利用規約を読むと、手段を問わずマップ上にある著作権関連の記述の削除は規約違反、というように書いてあるんですけど、自らが定めた運用方針を逸脱した行為を、既に自らが行っているような気がしますが、大丈夫なんですかね?
このあたりは、

[From 運用方針、自らが守っていただきませんと… #たけお問題 - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

という形で、別エントリーにも書いてあります。
#そういえば、所属タレントの肖像権の扱いがうるさい芸能事務所所属の男性タレントの写っているポスターを写している画像を使っているものあるんですよねぇ…。

アクセス数についても

⑤月間アクセス数
 旧ホームページ約5 万件⇒フェイスブックページ約300 万件(60 倍)

[From 武雄市作成:フェイスブックを使った情報発信.pdf]

と資料にあったわけですが、そもそもここにある「約 300 万件」と言っている数字はリーチ数ではないのか、という指摘があるわけで、

自治体サイトをFacebookに移行してからアクセス数が上がったと自慢されているようなのだけど、この数値って『リーチ数』 [ *1 ] ですよね。Facebook上での投稿に対して何かしらのアクションを起こした数のカウント数。

炎上でも何でも良いのだけど、シェアされたりいいね!が付いたりコメントされたらどんどん数値が上がっていく。信者やアンチがいるだけで数値はうなぎ登り [ *2 ] 。

[From 佐賀県武雄市のサイトのアクセス数の話 | 脳無しの呟き《土鍋と麦酒と炬燵猫》]

この数字をもってして、 Facebook への移行が成功したかのように説明するのはおかしいですし、そもそも比較するべきではない数値を比べて 60 倍になりました、という説明もおかしいわけで…。

で、公開されたもう一つのほう、武雄市のオープンデータ事業について
実際読んでみて、ナニが言いたいのかワケがわからないよ状態になったのは、こちらの資料。

「導入における経緯」のパートで示されているものは、日本フェイスブック学会のポスターらしきもの 2 点と写真が 1 点。口頭での説明があったのだとしても、この資料だけでは「なぜ、オープンデータ事業を始めようと思ったのか」ということはなんら伝わってきません。

「総務省実証事業」のパートも、やったけど結局どうだった、という点が不明ですし、実証事業自体が市民への開放がされたという話は聞いた記憶が無いものだったりするんですけどね。
文京区の視察した日は、雨が激しかった日だったようですから、実証事業で作った「安心安全情報提供システム(地図ポータルサイト)」の絶好のデモ日和だったんじゃないかと思いますので、その実働画面ぐらいは見せてもらえているものと、期待したいところではありますが…。

視察報告書の公開が待たれる

議員による視察報告書に関しては、鋭意作成中、という状況なのは前に書いたとおりではあるのですが、こうなってくると参加した各議員がどのようなことを感じたのか、という点に、興味が出てくるわけです。
資料には書かれていない内容も口頭で説明されていると考えていいでしょうし、その説明を受けているのは視察した議員だけですからね。視察前後に目的に関連する情報を調べたのか、武雄市からの説明だけを鵜呑みなのか、といったあたりは報告書が公開されないとなんとも言えないところ。

視察報告書の公開が、いつになるのか、非常に気になるところです。

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