タブレット端末を活用したICT教育モデル事業報告書というのが図書館に所蔵されたので

区の図書館の新着をつらつらと眺めていたら「タブレット端末を活用したICT教育モデル事業報告書 平成26・27年度 」というものが所蔵されたらしい、ので早速借りてみた。

自分の子供達が関係することだし、随分前にも、

さて、書いてあった概要だけから類推するに電子黒板導入に向けての調査と、それに合わせて実際の授業での活用方法を模索するために、モデル校選定と研究を今年やる、という感じみたいですね。(ただ、タブレット型 PC の導入が唐突に出てくるのが、ちょっと…。)

[From 電子黒板とタブレット PC の導入ですか… #文京区 - Soukaku's HENA-CHOKO Blog]

ということは書いていたのだけど、特に行政文書の取得とかまでして調べる、ということもしていなかったので、現状を概略的に把握するためにも、読んでおこうと思いましてね。。

で、それが今日手元に来たので、読んでみたわけですが、そこから幾つか気になることなどを、書いておきます。

まず、今回のモデル事業の概要ですが

  • 実施期間:平成 26 年、27 年の 2 年間
  • 対象:小学校、中学校それぞれ二校ずつ。さらに、それぞれで通常学級と特別支援学級担当に分かれる。
  • 研究課題
    • 大きく以下の五つ
      1. 一斉学習、個別学習といった学習形態に合わせた、タブレット PC を効果的に活用した指導事例及び成果
      2. ICT 支援員の活用や、校内研修・研究等の工夫による、タブレットを効果的に活用するための校内体制
      3. 時間割の工夫、交流及び共同学習での活用など、タブレットの効果的な活用のための留意点、配慮事項の洗い出し
      4. ネットワーク、ソフトウェアやその機能、ベンダ対応などタブレットの学校への導入に際しての技術面、設備面での課題洗い出し
      5. その他、タブレット活用に関すること
  • 機材の配置
    • 通常学級:3〜6人に 1 台になるように配置。小学校、中学校ともに Windows タブレット PC で、中学校には iPad も配置。
    • 特別支援学級:1 人 1 台で配置。小学校が iPad 、中学校は Windows タブレット PC 。

という感じだったようです。


タブレットを使った授業を受けた児童・生徒からは「授業が楽しい」「分かりやすい」「自分の考えが説明しやすい」という意見が大半を占め、教員側も「学習意欲を高める」「表現技法を高める」「思考を深めることが出来る」と言った点でタブレットの利用は効果的であると好意的な評価が多かったようですね。
報告書中には記述がないのですが、どの教科の授業でもまんべんなく使われたようで、報告書中に取り上げらている授業での活用事例も、国語、社会、数学以外に、体育、道徳などの事例が取り上げられていました。

今後、この事業報告書の内容をベースに、各学校への導入計画が作られていくのだと思うのですが、ちょっと気になる点として

  • 今後は、持ち運びのできるタブレット端末が、既存のPCの代替となるので、既存PCのリース満了時点で更新不要であると考えられる
  • タブレット端末の導入後は、コンピュータ室に行かず、各教室で授業を行うことができるようになるので、コンピュータ室のあり方について検討する必要がある

という記述があること。
プログラミング教育が必修となることは既定ですから、それに対応しようとした時にタブレット PC だけで事足りるのかなぁ、というのが個人的には気がかりなところ。
タブレット PC でもプログラミング出来るツールはありますから、それを使えば教えることは出来ると思うのですが、タブレット PC そのものが現行の PC を完全に置き換えるような存在になっているか、というとそういう状況でもないわけで、そのあたりは上手く組み合わせて使っていったほうが良いんではないかな、と思うわけです。

ということで、興味のある方は、図書館で借りてみてはいかがでしょうかね。

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