多賀城市立図書館は、CD/DVDレンタルが同居するようです #公設ツタヤ問題

広報多賀城の 11 月号に、多賀城駅北側の再開発の記事に絡めて移転後の図書館についての記事が出ていたのだけど、その中でフロア配置についての図が一緒に掲載されてました。
それによると、物販エリアについては次のようになる模様。

広報多賀城 平成27年11月号より、新図書館のフロア配置図
  • 1 階 : 書店・カフェ、コンビニエンスストア
  • 2 階 : CD・DVD レンタル
  • 3 階 : レストラン

1 階と 3 階については、報道されていたこともあって、それぞれファミマ!とカフェ・カンパニーが入ることはわかっていたので、個人的には2階がどう使われるのかが気になっていたのですが、市の広報に明記されたということで、公式にレンタルコーナーで確定ということですね。教育委員会の会議録などもチェックはしていましたが、2階物販エリアに何が入るのかは明確に議論されていなかったような気がしますし…。

多賀城市でも「CCC への配慮」は行われるのか?

さて、ここで気になってくるのは、図書館として所蔵している視聴覚資料への影響。

先行事例である武雄市図書館もCD/DVDレンタルコーナーが(レンタルコーナーの設置自体、市民から見たら騙し討に近い経緯で)併設されていますが、改装オープンにあたり除籍された資料類の中に、ハリーポッターシリーズやナショナルジオグラフィックスシリーズなどの大量の視聴覚資料も含まれていたことは、以前報道されたとおり。

リストによると、除籍された書籍や雑誌は約5500点、ビデオやCD、DVDの視聴覚資料は約3250点となっている。このうち、特にネットで問題視されているのが、DVD464点の除籍だ。映画「ハリー・ポッター」シリーズなど人気タイトルも含まれており、併設されているTSUTAYAで有償レンタルされている作品もある。

[From 武雄市図書館が開館前にDVDを大量除籍 「館内併設のTSUTAYAに配慮?」との疑問の声に武雄市は否定]

公式には否定されていますが、ハリーポッターシリーズなど、有料レンタルで人気の高そうなものの除籍=「CCCへの配慮だったのでは?」と、言われ続けているわけでして…。


また、図書館が視聴覚資料として所蔵する DVD については、貸与権の処理が行われた一般流通とは購入ルートも価格も違う形での購入となるわけですから、図書館の資料=「市民の共有財産」であると考えれば、安易な除籍が行われた際には問題とされるべきでしょう。

DVDについて。図書館で貸出に利用されているDVDは、一般に販売されているDVDとは異なり、図書館で貸し出すための権利が付与されています。この 貸与権が含まれているため、図書館のDVDは一般に販売されているものよりも高額 になります。

[From サーバ管理者日誌 シリーズ武雄市TSUTAYA図書館(26) - 武雄市図書館・歴史資料館の改修にあたって廃棄された蔵書・視聴覚資料の一覧]

図書館向け映像資料(著作権処理済)とは、権利者(メーカー)より図書館用に許諾されたビデオ、DVD、ブルーレイ等の作品で正規のルートを通って図書館へと提供される映像資料です。

[From 図書館向け映像資料(著作権処理済)WEBサイト (MMC 図書館事業部) DVD、ブルーレイ、ビデオの検索、選定、発注]

ところで、こんな話を教えていただいたので、ちょっと調べてみたところ、

確かに、シリーズがほぼ全部揃っている状況でした。
24 シリーズは、人気が高いようですから、レンタルでも回転率のいい商品でしょうし、こういったレンタルでも人気の高そうな視聴覚資料が移転オープン後に残ったのかどうか、観察対象として押さえておく必要がありそうですね。他にも、子供向けで人気の高いものは、要注意かも。

TSUTAYA 自体は別店舗が存在している武雄市図書館のほうでは閑古鳥が鳴いているそうですが、3.11の津波被害で閉店している多賀城市では、レンタルコーナーはそれなりに利用者を集めることになるのでしょうね。
ただ、それが来館者数をどれだけ押し上げる効果があるのかは、未知数ではありますが…。(特定ジャンルは扱えないわけですから。)

ついでなので

このところ、多賀城市の図書館関連のエントリー多いので一覧を作っておきますね。参考にどうぞ。

また、このあたりの議論なども新多賀城市立図書館の諸問題を考える上で参考になると思いますので、是非目を通していただければ幸いです。

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